コロナに強いと筆者が判断する4銘柄を選別

 2020年4-6月期決算がほぼ出そろいました。4-6月は、日本のGDP(国内総生産)の速報値が前期比年率▲27.8%と戦後最悪の落ち込みとなり、企業業績もかなり厳しい結果となりました。8月17日の日本経済新聞によると、東証一部の純利益が前年比で▲57%落ち込みました。

 その4-6月でも業績堅調、収益基盤が堅固、財務に問題ない銘柄を、優待人気上位60社の中から選別しました。具体的には、以下3条件を満たす銘柄を抽出しました。

【1】    業績堅調: 4-6月の連結営業利益が前年同期比で増益または5%未満の減益
【2】    収益基盤が堅固: 4-6月の営業利益率が10%以上
【3】    財務に問題なし: 自己資本比率35%以上

優待人気トップ60のうち、上記3条件を満たす4銘柄:2020年8月19日時点

人気順位 コード 銘柄名 優待月 優待内容
5 2914 日本たばこ産業 12月 優待内容
12 9433 KDDI 3月 優待内容
17 2702 日本マクドナルドHD 6月・12月 優待内容
30 9432 日本電信電話 3月 優待内容
出所:楽天証券「株主優待検索」および各社決算資料より、楽天証券経済研究所が作成

 表の優待内容をクリックすると、優待の詳細が確認できます。

 日本たばこ産業の優待は、1年以上保有している株主のみに贈られます。従って、今から投資しても優待が得られるのは2021年12月からとなります。他の3銘柄は保有1年未満でも、優待は得られます。

 なお、優待内容は、予告なく変更されることもあります。常に最新の情報をチェックしてください。楽天証券ウェブサイトでは、1カ月ごとに優待内容を更新しています。
 上記4銘柄を選別した根拠となるデータは以下の通りです。

上記4銘柄の、業績および財務関連データ

銘柄名 4-6月期営業利益増減率 4-6月期営業利益率 自己資本比率
日本たばこ産業 ▲4.4% 24.1% 48.0%
KDDI +13.7% 23.4% 45.8%
日本マクドナルドHD +12.6% 10.5% 71.9%
日本電信電話 ▲1.5% 18.0% 39.4%
出所:営業増減益率は、2020年4-6月の営業利益を2019年4-6月の営業利益で割って算出。営業利益率は、2020年4-6月の営業利益を2020年4-6月の売上高で割って算出。自己資本比率は、前期末ベース。楽天証券経済研究所が作成

4銘柄の配当利回りをチェック

 優待投資をする時、優待内容だけ見て投資銘柄を選ぶのではなく、必ず、予想配当利回りも見ましょう。優待品とは別にもらえる配当金が多ければ、それで自由に何でも好きなものを買うことができるからです。以下が、上記4銘柄の配当利回りです。

上記4銘柄の配当利回り(会社予想ベース)

銘柄名 配当利回り 1株当たり配当金:円会社予想 株価:円 最低投資金額:円
日本たばこ産業 7.7% 154 2,010.0 201,000
KDDI 3.6% 120 3,350.0 335,000
日本マクドナルドHd 0.6% 33 5,240.0 524,000
日本電信電話 3.8% 100 2,608.5 260,850
出所:配当利回りは、今期1株当たり年間配当金を8月19日株価で割って算出。今期とは日本たばこ産業・日本マクドナルドは2020年12月期、KDDI・日本電信電話は2021年3月期。最低投資金額は8月19日株価で100株を買うのに必要な金額。楽天証券経済研究所が作成

 日本たばこ産業(JT)とKDDI、日本電信電話(NTT)は、配当利回りも高く、高配当利回り株としての投資魅力も高いと思います。日本マクドナルドHDは、優待の魅力は高くても配当利回りが低いので、総合的な投資魅力は他の3銘柄より劣ると考えています。

 なお、配当利回りは、確定利回りではないことに注意が必要です。業績が悪化すると、配当金が減らされるリスクがあります。ただし、上記の4銘柄については、財務良好、収益基盤が堅固なので、減配リスクは低いと筆者は判断しています。