市場が警戒する3つの潜在的リスクと投資戦略

 過剰流動性相場で生まれた株価の回復基調は、「米国経済が景気後退から抜け出る」との方向感も織り込みつつあります。

 一方で、3月23日にボトム(底値)をつけて以降の「強気相場」が続くためには、以下に挙げる「3つの潜在的リスク」を消化していく必要がありそうです。潜在的リスクが顕在化する場面では、投資家心理悪化で株価がいったん反落する可能性が否定できないからです。

 第一の潜在的リスクは上述した新型コロナ感染者の再拡大(第2波)の動向と景気や企業マインドに与える影響です。米南部(フロリダ州、テキサス州、ルイジアナ州など)や南西部(カリフォルニア州など)で感染者数拡大が明らかとなっており、比較的早く経済活動を再開した地域の経済的影響が不安視されています。

 景気動向と株価を気にするトランプ大統領は、20日に開催した選挙集会(オクラホマ州)で「PCR検査を増やしたから感染者が増加した」、「検査を減らすべきだ」などと述べていました。

<図表3>大統領選挙での「トランプ再選失敗」がいよいよ現実味?

出所: Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年6月24日)

 第2の潜在的リスクは「トランプ大統領落選」(再選失敗)が一段と鮮明となることです。図表3は、トランプ大統領(現職)とバイデン候補(元・副大統領)の「支持率」と「当選予想確率」を比較したものです。

 トランプ大統領は、コロナ危機に対する取り組みの遅れ、景気後退に伴う失業率上昇(5月は13.3%)、BLM(人種差別反対)運動に対する強硬姿勢などが批判され、直近の「当選予想確率」はバイデン候補の59%に対しトランプ大統領は42%と1カ月前と比べ「大逆転」されています。

 世論調査の支持率調査で「表面化しにくい」とされる共和党保守層(主に非大卒の白人やキリスト教福音派)の一部が不支持に転じているとの見方もあります。大統領選挙(11月3日)と同時に実施される上下両院議会選挙でも「民主党が共和党に対し優勢」との見方も出ています。

「民主党政権誕生」に株式市場があらためて身構え、一時的にせよ株式の変動率が高まる可能性に注意が必要です。