現在の日足相場はランダム(無秩序)相場で方向感がない

 30分足や1時間足などの短いチャートはともかく、日足ベースで相場をみると、現在の株式インデックスや円相場は、トレンド相場が終了したあとの「調整相場」である。

 標準偏差ボラティリティとADXがピークアウト(天井をつけ下落)すると、トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった「横ばいレンジ内での乱高下相場」となりやすい。いずれにせよ、ランダム(無秩序)相場だ。

 相場で大きな収益機会になりやすいのは、標準偏差ボラティリティとADXが低い位置から一緒に上がっていく局面で、これを相場用語では「保ち合い放れ」・「レンジ・ブレイク」・「ボラティリティ・ブレイクアウト」などと呼んでいる。

 ワイルダーが考案したADXはDI(方向性指数)の平均(アベレージ)で、価格の変動幅を指数化してトレンドの強弱を指数化したものだ。標準偏差ボラティリティとADX(アベレージ・ディクショナル・インデックス)の2つの指標が低い位置から一緒に上昇している時は、相場が保ちあいを離れ強いトレンドが発生したという判断になる。

 よく誤解されるが、標準偏差ボラティリティとADXはトレンドの強弱を表す指標であり、相場が上昇しているのか、下落しているのかを示す指標ではない。

豪ドル/円(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:トレンドシグナル:買いトレンド(赤)・売りトレンド(黄)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター

メキシコペソ/円(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:トレンドシグナル:買いトレンド(赤)・売りトレンド(黄)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター

日経平均(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
上段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ

出所:石原順

NYダウ(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
上段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ

出所:石原順