NY原油先物(赤)VS NYダウ(青)

 原油価格が20ドル/バレルを下回り、莫大な量の債務がエネルギー業界と結びついている。エネルギーセクターがより広い経済に及ぼす影響を考えると、市場がこのダメージを完全に「価格に織り込んだ」と示唆するには早すぎるだろう。

出所:石原順

炭鉱のカナリアと呼ばれ、ジャンク債で構成されるETF(HYG)が急落

出所:石原順

 ドル/円もFRB(米連邦準備制度理事会)の無制限QE(量的緩和)でドル不足は落ち着いてきている。ただし、株がさらに下落すると、ドルは価格の下方硬直性を発揮するだろう。ここからのドル/円は、NYダウや日経平均と同様にテクニカル的には、乱高下する調整局面に入っている。

ドル/円(日足)短期順張りシステムとトレーリングストップライン

出所:石原順

 ここからの相場は、戻り待ちの売り圧力と当局のジャブジャブのマネー供給のせめぎあいで難易度が高そうだ。

FRBのバランスシートは過去最高の5.5兆ドルに達し、1.2ドルという驚異的な増加を記録(3月25日現在)

 ジェフリー・ガンドラックは、「おそらく米国の経済・金融刺激策は10兆ドル(約1,074兆円)規模に達し、米国の債務が急拡大する中でドルは下落する可能性が高い」との見通しを語った。現在のQEの急増は、確かに別のバブルの膨張に成功するかもしれないが、経済活動を刺激するために将来の消費を引き続き前進させる能力には限界がある。一つ確かなことは、FRBはもう二度と金利を上げたり、金融政策を引き締めたりすることは出来ない。世界の中央銀行は、長年の金融支援を通じて投資家の自己満足感を拡大させた一方、潜在的なリスクに対しては意図して盲目的にさせてきた。Welcome to United States of Japan.(ようこそ、日本合衆国へ)

出所:ゼロヘッジ