単純比較はできないものの、日本人には退職金があるので、これも確認しよう

 さて、米国の若い世代は圧倒的に老後のための資産形成に成功しているように思えますが、日本人が悲観する必要はありません。日本人の多くには「退職金」という枠があるからです。

 米国の401(k)プランでは個人の積み立てに会社が追加拠出をしてその資産形成を奨励しますが(マッチング拠出。日本の確定拠出年金のそれとは異なる)、会社が退職金を実施している場合、あるいは確定給付型の企業年金を実施している場合、これはiDeCoや企業型DC以外の部分で、会社が資産形成を行っていることを意味します。

 あなたの会社がポイント制退職金を採用していれば、ポイント数を確認してみましょう。仮に500ポイントあり、1ポイントが1万円相当であれば、500万円の退職金の権利があるということです。もし手元に500万円の定期預金があれば、米国のミレニアル世代に大きく負けているわけではないということになります。

 もちろん企業型確定拠出年金を実施している場合は、自分のお金として残高把握ができます。IDやパスワードを紛失している場合は再発行手続きをしておいてください。

 このままでは、10年後あるいは20年後、日米の老後の資産格差が決定的になるかもしれません。しかしiDeCoの規制緩和や限度額引き上げも徐々に行われていくはずです。ぜひ今ある制度の枠内で、できることを実行しておきましょう。