3万円未満で米テック株に分散投資する方法

 米国株式の堅調をリードするIT(情報技術)関連株に分散投資するにはETF(上場投資信託)を活用するのが便利です。

 図表3は、米国籍ETFの「バンガード米国情報技術セクターETF」(VGT)の取引価格推移を示したものです。VGTに組入れられている上位銘柄は、マイクロソフト(MSFT)、アップル(APPL)、ビザ(V)、マスターカード(MA)、シスコシステムズ(CSCO)、インテル(INTC)、アドビ(ADBE)、オラクル(ORCL)、ペイパル・ホールディングス(PYPL)、セールスフォース・ドットコム(CRM)などで、上述したS&P500情報技術(IT)株価指数とほぼ同様です。

 一口当たり取引価格は216ドル程度ですので、3万円未満で投資できます。ナスダック総合指数の上位銘柄には、事業の中心が「広告事業」と判断されているアルファベットやフェイスブック、「小売り(一般消費財)」に分類されているアマゾンなどが顔を並べますが、これら3銘柄は業種分類上、S&P500情報技術指数に含まれていません。

 VGTのパフォーマンスはベータ値(市場平均と比較した変動率)が比較的高いですが、長期的な視野に立てば米国のイノベーション(技術革新)をリードするIT銘柄を幅広くカバーできます。なお、アルファベットやフェイスブックは、米国籍ETF「バンガード米国通信サービスセクターETF」(VOX)を加えて投資することも可能です。

 一方、IT関連を中心にアルファベット、フェイスブック、アマゾン、バイオ関連株を含むナスダックの時価総額上位100社(金融を除く)に分散投資したいなら、ナスダック100指数に連動を目指す米国籍ETF「インベスコQQQ信託シリーズ1」(QQQ)が適しています。投資ニーズに応じて比較検討したいと思います。

<図表3>米・IT(情報技術)分野に分散投資する米国籍ETF(VGT)

*上記は参考情報であり、特定の個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。 *上記は米国籍のETF(ドル建て上場投資信託)。 *VGTのベンチマーク(運用目標)は、MSCI Investable Market Information Technology Index。 *上記ETFの運用時価総額は約207憶ドル、運用経費率(年率)は0.10%。
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2019/7/3)



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