中国は貿易戦争の対抗措置として米国債を売却する!?
中国は世界第1位の米国債保有国だ。中国が米国債を売れば米国債金利の上昇を招き、米国は中央銀行バブルの延命にとどめを刺される可能性がある。中国は貿易戦争の対抗措置として米国債を売却するのではないかという観測が浮上している。筆者のところにもそうした質問が来ているが、中国は貿易戦争では米国に対抗する手段があまりないので、「米国債を売る」というブラフをかけてくる可能性はあるだろう。トランプ大統領の落選を願っている中国としては、来年の大統領選までのらりくらりと様子を見るのではないだろうか?
人民元安を止めるために米国株を売却する可能性はあるが、貿易戦争を受けて今すぐ中国が米国債を売る(伝家の宝刀を抜く)ようなことはないだろう。仮に中国が米国債を売ってきたら、米国はQE(量的緩和)を再開して米国債を買うしかない。中国が米国債を売るようなことになれば、米国は対抗措置として人民元高(プラザ合意2.0)を要求することになるだろう。
ドル/人民元(日足) 順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
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下段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
出所:石原順
ドル/円がどこまで下がるかは株次第!
ドル/円の波動カウントは、民主党政権のときの2011年11月の1ドル=75円から5波動で上昇し、2015年6月に124円前半まで上昇、そこで天井を打ち修正波動に入っている。今のところ米国以外に資金を振り向ける先がないため、なかなかドルが大きく売られる動きにはなっていないが、赤のレジスタンスラインを抜けない限り上は重く、逆に青いサポートラインを割ってくると大きな動きとなりそうだ。
ドル円(週足)と波動カウント
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円相場がどこまで下がるのか。それは米国株の動向次第だろう。S&P500の日足をみると、ダイアゴナル・トライアングルが形成されている。このダイアゴナル・トライアングルは相場の最終局面で示現する傾向があり、上下どちらかに抜けてきた場合に、大きな動きとなるケースがある。今回は、下に抜けてきた。慎重に見るべきであろう。
S&P500(日足)とダイアゴナル・トライアングル
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