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「取引手法とタイムフレームの分散で安定的に稼ごうという試み」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「取引手法とタイムフレームの分散で安定的に稼ごうという試み」

2017/2/9
2月は円高バイアスの強い月である。ドル/円の月足は20か月移動平均線を1月末のNY終値で割り込んだ。したがって、現在は円高のリスクが高まっている。しかし、下値では年金PKOと思わしきドル買いが出るという観測が多いので、相場は下がりきらない。矛盾したドル高牽制をおこなうトランプと、日本の価格操作に挟まれる形でドル/円は明確な方向感を失っているように見える。
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トランプの発言は非常識ではあるが、軸はぶれていない

2月は円高バイアスの強い月である。ドル/円の月足は20か月移動平均線を1月末のNY終値で割り込んだ。したがって、現在は円高のリスクが高まっている。しかし、下値では年金PKOと思わしきドル買いが出るという観測が多いので、相場は下がりきらない。矛盾したドル高牽制をおこなうトランプと、日本の価格操作に挟まれる形でドル/円は明確な方向感を失っているように見える。

トランプの経済顧問であるヘリテージ財団の首席エコノミストであるスティーブン・ムーアは、「トランプが率いる共和党は、ポピュリズムのトランプ労働者党になる」とウォールストリートジャーナルに述べている。

トランプは、米国の覇権を放棄し、国内経済優先のアメリカファーストをやろうとしているのであり、その発言は非常識ではあるが、軸はぶれていない。覇権を放棄して2国間交渉を行うトランプを相手に、少なくとも通商政策で日本が得をすることはないだろう。トランプが持ちかける2国間交渉は相手国にとっては現状よりマイナスになるだろう。2月10日の日米首脳会談の結果がどんなものになるかはわからないが、相場が上下いずれかに大きく振れるリスクがある。現在は投機筋も様子見にならざるを得ない。

ラリー・ウィリアムズの円高予測

このような状況の中で、最高の短期トレーダーと言われるラリー・ウィリアムズは、1月30日の時点で円高相場を予測していた。この円高予測は的中し、ドル/円は112円を割り込んだ。

シカゴIMM日本円通貨先物(日足)

(出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)1月30日・著作権の関係で画像の一部を隠しています)

先週末にラリー・ウィリアムズは現在の円高のターゲットと利益確定のポイントについて解説しているが、著作権の関係で詳しくは述べられない。利が乗ったポジションの利確には、過去X(エックス)日間の安値を使うように推奨していることだけ述べておく。

シカゴIMM日本円通貨先物(日足)

(出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2月6日・著作権の関係で画像の一部を隠しています)

いかにして相場を認識するか

筆者は「相場の動きは無秩序である」という認識には異議を唱えるつもりはない。しかし、投資家は、無秩序な市場の動きの中から「無秩序でないトレンド部分」を認識しなければ、収益を上げることは困難であり、そもそも、市場がランダム(無秩序)なら、それは丁半ばくちに近いものであり、事業として相場に参加する意味はないだろう。

ランダムウォーク理論に異議をとなえる人は少なからずいる。ステファン・テイラーは『金融先物・オプションの価格変動分析 ボラティリティの予測モデル』で相場にはトレンドが存在することを実証している。また、フラクタル理論のペノワ・マンデルブロは『禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン』で、ランダムウォーク理論ではバブルの発生と崩壊を予測できないと指摘している。

「いかにして相場を認識するか」という問題に対して、これまで様々なアプローチがされてきたが、問題は相場の認識方法が複雑になればなるほど、実践では使えない机上の空論となることである。

筆者の独断と偏見でいえば、トレンドの有無を判定するという相場認識のテクニカル・ツール(道具)で最も優れているのは、「標準偏差ボラティリティ」と「ADX」という指標である。

ポンド/ドル(日足)トレンドの発生と消滅
トレンド相場(ピンク)とレンジ相場(イエロー)の見分け方
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティは上昇する。標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性をもつシグナルとなる。相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマをブレイクしたときだ。

当然"ダマシ"もあり、筆者は1年を通した相場で何度も痛い目にあっているが、だまされても±1シグマラインで決済(損切り)するので、壊滅的な損はしていない。何度か痛い目にあってもこの手法を使うのは、年に2回程度は大きなトレンドに発展する確率が高いからである。

筆者は「大相場になるかも?」という期待値から、標準偏差ボラティリティが上昇し、相場がボリンジャーバンドの±1シグマをブレイクした局面ではリスクを取っているのである。一方、標準偏差ボラティリティがピークアウト(天井をつけ下落)すると、トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった「横這いレンジ内での乱高下相場」となりやすい。

「いいところで買おう(売ろう)」などと考えているうちは、熟練した取引者とは言えない。相場経験の浅い人は、とにかく「いいところ」で売買したがる。しかし、エントリーのポイントがいいとか悪いとかは、後になってわかることです。筆者が相場でずっと考えてきた問題は「トレンドをどう認識するか」「いかに利を伸ばすか」「相場で間違った時、どこで損切りするか」の3点です。

トレンドが大きくならなかったり、トレンドだと思った相場がダマシであったりすることは、相場の世界では日常茶飯事である。このダマシであったときの損切の対処が1シグマのラインであるかぎり、壊滅的な損失を蒙る可能性はかなり低くなる。少ないリスクで大きなトレンドを狙うには「1シグマのライン」を基本としたレンジ幅のバンドを使うのがよいだろう。相場で生き残る秘訣は「防御」にあり、相場でダマシにあったときの対処法のほうがエントリーポイントより重要である。

取引手法の分散と取引時間枠(タイムフレーム)の分散

相関関係がない多くの商品を取引する「分散=ポートフォリオ」が、安定運用には一番効果がある。一方で、通貨などの1つの対象(商品)しか取引しない場合は、取引するタイムフレーム(時間枠)の分散(時間枠:5分足・1時間足・日足・週足・・)や、複数の取引手法(順張り・逆張りなど・・)を使うことで、取引手法の分散を行うことが出来る。これらは、なんとかパフォーマンスをよくしようという試みである。

先週のレポートで、「日替わりメニューのトランプ相場対処法は取引時間枠の短期化しかない」と書いた。猫の目のようにコロコロ展開が変わる相場なので、現状、日足ベースのポジションは乱高下相場に巻き込まれると、売ってやられ・買ってやられという結果になりやすい。ファンド勢は取引時間枠を短期化しているという。筆者は現在も取引時間枠(タイムフレーム)の短期化で相場に対応している。

以下のチャートは通貨や株式インデックスの筆者が観ている取引手法の画面である。ボリンジャーバンドと標準偏差ボラティリティが基本のチャートだが、相場の転換点、逆張りシグナルなどを表示させている。相場は観察する時間枠(ターイムフレーム)によって、相場認識が全然違う。観る時間枠によって強気にも弱気にもあるが、収益機会は日足だけではないということだ。

チャートの見方 例:ドル/円の5分足

(出所:MT4)

以下のチャートは、昨日のNY時間に筆者が画面コピーしたドル/円、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、ポンド/円、豪ドル/円、NYダウ先物、日経平均先物の5分足・1時間足・日足・週足のチャートである。どのように取引しているのかは書かないが、ストップ注文やトレール注文を多用している。時間枠(タームフレーム)と取引手法の分散を行うことで、投資家は「退屈な相場=なにもすることがない」という状況から解放されるだろう。

相場に絶対の法則やゴールデンルールと呼ばれるものは存在しない。相場は(ストップロスを置いて)確率に賭けるゲームである。

ドル/円(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ドル/円(1時間)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ドル/円(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ドル/円(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ユーロ/ドル(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ユーロ/ドル(1時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ユーロ/ドル(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ユーロ/ドル(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/ドル(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/ドル(1時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/ドル(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/ドル(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/円(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/円(1時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/円(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

ポンド/円(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

豪ドル/円(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

豪ドル/円(1時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

豪ドル/円(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

豪ドル/円(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

NYダウ先物(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

NYダウ先物(1時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

NYダウ先物(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

NYダウ先物(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

日経平均先物(5分足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

日経平均先物(1時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

日経平均先物(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

日経平均先物(週足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
下段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン

(出所:MT4)

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