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「どこまで続くトランプ・フィーバー?金融株の上昇でバブル相場がスタート!」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「どこまで続くトランプ・フィーバー?金融株の上昇でバブル相場がスタート!」

2016/12/1
ドル/円相場の大局を決めるのは20か月移動平均線である。月足のNY終値が20か月移動平均線を上抜けば円売り、下回れば円買いで、下のチャートは20か月移動平均線と売買シグナルである。
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11月NY終値で20か月移動平均線を上抜き、ドル/円は円安転換か?

ドル/円相場の大局を決めるのは20か月移動平均線である。月足のNY終値が20か月移動平均線を上抜けば円売り、下回れば円買いで、下のチャートは20か月移動平均線と売買シグナルである。

「11月終値で20カ月移動平均線を上抜くのは無理ではないか?」との見方が多かったが、ドル/円の11月30日のNY終値は114円44銭、20か月移動平均線は114円36銭となり、ドル/円相場は20か月移動平均線を上抜いたのである。

12月1日現在の20か月移動平均線の値は114円11銭である。20か月移動平均線を相場が維持している限り、61.8%戻しの115円56銭や将来的に120円トライがあってもおかしくない。

ドル/円(月足) 20か月移動平均線と売買シグナル

(出所:石原順)

ボルカー・ルールの廃止観測で金融株が上げのリード役に

11月17日のレポートにも書いたが、筆者の周辺の株式運用者は、「市場はトランプリスクに対して警戒を解いていない(構えている)。そうした警戒感があるうちは、株式相場は上昇する。皆が強気になっていないからだ。NYダウが19,000ドルを超えてくると、トランプ大統領就任までに20,000ドルの大台を試す可能性が大きくなる。彼が大統領に就任するまでは、悪材料が出てきても相場はさほど下げないだろう。しかし、相場が思惑通り上昇したら、1月はいったん利食いしたい」と述べたうえで、「現在の相場は非常に難しい。相場は上げの最終波動である5波動目に位置していると思われるが、トランプの財政出動や減税が行われれば現在のバブルが1~2年延命する可能性は十分ある」と述べている。

NYダウ(月足) 「10月末買い・翌年4月末売り」のパフォーマンス

(出所:石原順)

米国株はトランプがボルカー・ルール(ドットフランク法)を廃止するのは確実(議会もそれを認める)との見方が多く、それにより金融機関のボルカー・ルール絡みのコストが下がるということで、金融株が上げのリード役になっている。株式市場の熱狂やバブルには金融株の上昇が不可欠であるが、現在、それが起こっている。

ゴールドマンサックス(日足)

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:フィボナッチのファンライン

(出所:石原順)

トランプ次期米大統領は次期政権の財務長官に、米証券大手ゴールドマンサックス出身のスティーブン・ムニューチンの就任が決まった。トランプの友人で選挙戦での金庫番を務めた人物である。正直言って、ムニューチンは金融界での実績は乏しく、運用者の間でのムニューチンの評価はかなり低い。

だが、ムニューチンはトランプの言いなりになると思われている。「トランプは財源など気にしていない。彼は借金とレバレッジで成功した不動産屋であり、低金利だからどんどん借金をすればいいと考えている」という見方が運用者には多い。ムニューチンの為替政策についても不透明感が強いが、「大幅減税が出来るか否かはともかく、本国投資法くらいはやるだろう」ということで、為替はドル高に動いている。

トランプ構想の、法人税や個人所得税減税といった大型減税構想が実現できるのか、10年間で1兆ドルという巨額のインフラ投資案が実現できるのか、また、その財源はどうするのかなど課題は多いが、ムニューチンが「インフラ投資の資金調達を担う銀行設立を検討している」と発言していることで、現在の市場は<ウォール街出身>という点だけを好感している格好だ。

12月14日に米国の利上げは確実視されているが・・

トランプ・フィーバーとなっている株式市場ではあるが、現在の株式市場は基本的に中央銀行が値付けをしているバブル相場である。中央銀行バブルにとって、最大の悪材料は金利の上昇である。米金利の上昇で新興国債券が急落し、ドルインデックスが100を超えたことで、新興国通貨が急落している。

12月14日のFOMCで米国の利上げは確実視されているが、これが米国株式市場に悪材料となる可能性があろう。一方で、日経新聞の前田編集委員の話では、「株式市場は3回目の利上げまでは上げ基調を維持する」という経験則があるという。その通りならば、2回目の12月14日の利上げは嫌気されても大波乱とはならないのではないだろうか?

ドル/円は+1シグマを割り込むまで放置が得策

機関投資家の米債のヘッジはずし、108円台から戻り売りの逆張りに動いているミセス・ワタナベの買戻し(損切り)、一部の米系ファンドの猛烈なドル買い、乗り遅れた投機筋の押し目買いなどを巻き込んで、ドル/円は114円79銭まで上昇している。

先週のレポートに、「相場の買われ過ぎや売られ過ぎを指摘する声が多いが、そもそもトレンド相場とは、相場の買われ過ぎや売られ過ぎの先に発生する波動のことをいう。相場が21日ボリンジャーバンド±1シグマの内側に入ってこない限り、ポジションは放置するのがよいだろう」と書いたが、ドル/円は21日ボリンジャーバンドの±1シグマの外側での取引が続いており、筆者は買いポジションを放置したままだ。

ドル/円(日足)

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ

(出所:石原順)

下のチャートは、<200日移動平均線の下に相場がある時は押し目買いをしない・200日移動平均線の上に相場がある時は戻り売りをしない>というルールに基づいて、ストキャスティクス5.3.3(ストキャスティクスの考案者であるレーンのオリジナルのパラメータ)の売買シグナルを点灯させている。

ストキャスティクス5.3.3の売買シグナルは、11月21日にドル/円の売りシグナルを点灯させているが、現在のドル/円は200日のEMAの上にあるので、こうした戻り売りシグナルには従ってはいけない。200日のEMAの上の相場では押し目買いが基本となる。

ドル/円(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル

上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

日経平均の12月相場は?

12月の日経平均の平均上昇率は1.3%だが、戦後の相場では4%~6%上がったことが11回もある。意外高をみせる可能性があるのが12月の相場である。アベノミクス以降の相場では1円の円安で日経平均は250円上がるという相関関係があるが、12月の日本株の行方はドル/円相場次第となろう。

日経平均(月足) 「10月末買い・翌年4月末売り」のパフォーマンス

(出所:石原順)

筆者は日経平均の25日エンベロープ-5%とRSIの買いシグナルを根拠に、11月9日~10日に日経平均の買いポジションを持ったが、25日エンベロープ+5%とRSIの売りシグナルを根拠に半分利食いしてしまった。半分利食ってしまったので、この相場が25日エンベロープ+10%まで上がる相場なのか否かを、現在は気楽に見ている。

日経平均(日足)

上段:25日エンベロープ±5%(赤)・±10%(青)
下段:9日RSI(赤)

(出所:石原順)

7の年は金融危機が起こるが、バブルはどうにか延命して8の年に急落が起こる?

1987年のブラックマンデー、1997年のアジア通貨危機、2007年のサブプライム危機と、7の年には金融危機が起こると言われている。そうなると、2017年もなんらかの金融危機が顕在化しそうだ。しかし、筆者の周辺の運用者Nさんの話では、「7の年に金融危機が顕在化しても(相場は下がるが)暴落は起こらず、実際に市場の暴落が起きるのは8の年である」という。新債券の帝王ジェフリー・ガンドラックも、「市場の崩壊は2018年である」という見通しを語っており、あと1年程度、現在のバブル相場はなんとか持ちこたえるのかもしれない。

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日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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