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「まるで1999年の終わりごろのよう?ニフティ・フィフティ、ドットコムバブル、FANG相場の崩壊の要因」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「まるで1999年の終わりごろのよう?ニフティ・フィフティ、ドットコムバブル、FANG相場の崩壊の要因」

2017/6/15
市場間の相関関係が今年の1月から崩壊している。6月9日のNY市場ではFANGの急落でナスダックが下げたが、NYダウは最高値を更新している。昨今の円高・日本株高もその現象だ。
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相関性の崩壊は通常、景気サイクルの最終局面に起きる

市場間の相関関係が今年の1月から崩壊している。6月9日のNY市場ではFANGの急落でナスダックが下げたが、NYダウは最高値を更新している。昨今の円高・日本株高もその現象だ。モルガンスタンレーのファニキラン・ナラパラジュは「相関性の崩壊は通常、景気サイクルの最終局面に起きる」と述べている。景気サイクルの最終局面では、各資産が特有の事象に大きな影響を受けやすくなり、また景気悪化への懸念の高まりに影響を受けにくくなるという。つまり、市場の変動要素が多様化し、各資産間の連鎖が崩れるのだ。

モルガンスタンレーの世界相関指数

(出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート  The Gloom, Boom & Doom Report・国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

ナスダック100CFD(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
中段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン・トレンドの発生ポイント(黄色い丸で囲った部分)
下段:新値3本足の売買シグナル

(出所:MT4 テンプレート 『DVD相場で道をひらく7つの戦略「トレード戦略編」 石原順』)

NYダウCFD(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
中段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン・トレンドの発生ポイント(黄色い丸で囲った部分)
下段:新値3本足の売買シグナル

(出所:MT4 テンプレート 『DVD相場で道をひらく7つの戦略「トレード戦略編」 石原順』)

ナスダック100CFD(4時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
中段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン・トレンドの発生ポイント(黄色い丸で囲った部分)
下段:新値3本足の売買シグナル

(出所:MT4 テンプレート 『DVD相場で道をひらく7つの戦略「トレード戦略編」 石原順』)

NYダウCFD(4時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±0.6シグマ=赤のバンド
中段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン・トレンドの発生ポイント(黄色い丸で囲った部分)
下段:新値3本足の売買シグナル

(出所:MT4 テンプレート 『DVD相場で道をひらく7つの戦略「トレード戦略編」 石原順』)

日経平均(日足) トレンドラインのサポートが切れている
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

ドル/円(日足) トレンドラインのサポートが切れている
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

ドル/円(日足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
中段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン・トレンドの発生ポイント(黄色い丸で囲った部分)
下段:新値3本足の売買シグナル

(出所:MT4 テンプレート 『DVD相場で道をひらく7つの戦略「トレード戦略編」 石原順』)

ドル/円(4時間足)
上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ=赤のバンド
中段:標準偏差ボラティリティ(26)=青いライン・トレンドの発生ポイント(黄色い丸で囲った部分)
下段:新値3本足の売買シグナル

(出所:MT4 テンプレート 『DVD相場で道をひらく7つの戦略「トレード戦略編」 石原順』)

景気拡大最終局面の現象で市場間の相関係数がおかしくなっているが、結局、金融市場全体の動きを決するのは米国株の動きだ。

FANNGが急落!

先週、『米国株のヒンデンブルグ・オーメン点灯よりもFANG(ファング)に注目!』というレポートを書いた。「バブルは簡単には終わらない。米国株の急落のシグナルは、フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの「FANG(ファング)」が下げてきたときである」と指摘したが、レポートの翌日の6月9日にFANGが一斉に急落した。これを受けて、VIX恐怖指数も久々に上昇する場面があった。

FANGにアップルを加えてFAANGという運用者もいるが、筆者の周辺ではFANG:(フェイスブック・アマゾン・ネットフリックス・グーグル(アルファベット)と、MANT:(マイクロソフト、アップル、エヌビディア、テスラ)という分け方をしている。

アマゾンの予想PERは147倍。投資資金の回収に147年かかるなんて、通常はありえないバブル水準である。トレーディング・ベースの取引は別だが、米国株はバリュエーション的には高すぎて買うものがない状況で、現在、長期投資をする環境にはない。

フェイスブック(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

アマゾン(日足) アマゾン株は9日の市場で 26 億ドルの価値を失った・・
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

ネットフリックス(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

アルファベット(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

マイクロソフト(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

アップル(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

エヌビディア(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

テスラ(日足)
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

6月9日のVIX恐怖指数の動き

(出所:Market Watch)

6月9日の相場では、アマゾンの時価総額が一瞬で4兆4,000億円を失う場面があり、株式ファンドの多くに動揺が走ったようだ。下げを加速したのは、アルゴリズム取引の一斉売りだと言われている。この9日の下げから12日までに世界の投資資金が集中しているFANGとMANTが失った時価総額は20兆円になる。

このままいくと米国株市場は危ういが、ここ数日の金融株の上昇で米国株市場は全体的には急落を免れている。金融株の上昇は、「トランプが夏までに減税やボルカールール(ドッドフランク条項)の撤廃といった経済テコ入れ策に動くだろう」という観測からだ。トランプの減税やボルカールールの撤廃は、現在のバブル相場を中間選挙まで延命させる可能性がある。<トランプ・プット>のプレミアムがまだ高い現在の相場は、ファンド勢も「賞味期限が難しい」と考えている。

ゴールドマンサックス(日足) 現在、リバウンド中・・金融株の上がらない相場はバブルしない!?
14日ADX
52日ADX
26日標準偏差ボラティリティ
21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ

(出所:ストックチャーツ)

バブルの裏側で再融資(ロールオーバー)経済の終焉の予兆も・・

下のグラフを見てもわかるように、米国経済は借金漬けの状態にある。トランプの減税策は短期的な効果はあるが、むしろ米政府の財政赤字を急増させることになるだろう。

米国の不良債権全額とその企業数

(出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート  The Gloom, Boom & Doom Report・国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

米国の債務残高 いずれ第二のプラザ合意か・・

(出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート  The Gloom, Boom & Doom Report・国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

米国政府の債務増加

(出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート  The Gloom, Boom & Doom Report・国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

主要中銀のバランスシート総計

(出所:マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート  The Gloom, Boom & Doom Report・国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

現在、いたるところにバブル崩壊の予兆が出てきている。自動車・学生ローン・住宅などのサブプライムローンが焦げ付き始めており、米国の利上げで、再融資(借り換え)ロール・オーバー経済の終焉がみえてきている。商業用不動産のバブルも深刻だ。米国は景気拡大期が100カ月に接近しており、景気拡大期の最終局面にあると思われるが、この状況でイエレンFRBが本当に年後半も利上げ(加えて買い入れた資産の売却)ができるのかどうか、債券市場は懐疑的だ。だから、長期金利が上がらない。

米10年国債金利(日足)
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑

(出所:石原順)

この先、FRBの利上げで短期の金利だけが上がり、長期の金利が上がらなくなると、株式市場の急落が起こる確率が増す。米著名投資家ラリー・ウィリアムズは、「GDPが450億ドルの伸びに対して、債務は2.2兆ドルに膨れ上がっている。この対GDPの債務率は過去最大である。金利の引き上げはGDPの低下に直結する。まるで、マイク・タイソンのパンチのように強烈なダメージをもたらす」と述べているが、FRBが急いで金利を引き上げるだけで米国のGDPは下がってしまうのである。

米国のイールドカーブ(2017年6月14日現在)

(出所:フィナンシャルタイムズ)

パーティーは終わりに近い?8月は相場の下げに注意

上記のような状況のなか、6月14日にFOMCは利上げをおこなった。それどころか、4兆5,000億ドル規模のバランスシートの縮小に着手する方針も表明している。市場の予想よりかなりタカ派で前のめりの対応といえるだろう。早ければ9月にもバランスシート(米国債とモーゲージ担保証券)の縮小を開始する可能性があるという。

新債券の帝王ジェフリー・ガンドラックは「夏相場が危ないので株は売っておいた方がいい」と述べている。「ビセンダ・アセット・マネジメントのフェリックス・ツラウフ最高投資責任者(CIO)は、「まるで1999年の終わりごろのようだ」と語り、中国を中心とする世界経済減速によって7月か8月に「株式は重要なピーク」を迎えるとみている」(ブルームバーグ)という。

NYダウ・日経平均 月別騰落率(過去20年)
歴史的に5月・9月・10月はボラティリティが上がるが、近年の相場は8月が危ない

(出所:石原順)

1970年代初頭のニフティ・フィフティ(素敵な50銘柄)相場、1990年代後半のITバブルの暴落は、結局、政策金利の引き上げが原因だった。今回のFANGやMANTの上昇も「上がるから買う、買うから上がる」というバブル現象である。

「ゴルディロックスと3匹のくま」(Goldilocks and the Three Bears)は、イギリスの有名な童話である。ゴルディロックスは今の「程良い状況が続く適温相場」の例えによく用いられる言葉だが、ゴルディロックスの童話の本質は、「そういう状況は長くは続かない」ということである。総楽観相場だが、4回目の利上げと資産売却表明の後のこの夏の相場は注意が必要であろう。

NYダウと<7の年の平均サイクル>
今年のここまでのNYダウは概ね7の年の循環で動いている

(出所:「ラリー・ウィリアムズのフォーキャスト2017」ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

NYダウの大統領選挙翌年のパターン

(出所:「ラリー・ウィリアムズのフォーキャスト2017」ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載)

7月22日(土曜日)の「楽天証券サービス開始18周年記念投資セミナー」の楽天FXブースで「年後半の相場見通し」のミニセミナーをやります。ぜひ、ご参加ください。

新しいDVD『相場で道をひらく7つの戦略-トレード戦略編』(石原順) が楽天ブックスで好評発売中です。

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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