企業業績予想が保守的

 3月決算の発表がほぼ完了しました。前期実績は想定以上ながら、今期の見通しが保守的(低め)です。大幅増益だった前期が終わり、今期の業績が鈍化する見通しであることが、日本株の上値を抑えています。

東証プライム上場3月期決算主要841社の連結純利益(前期比%):2020年3月期~2025年3月期予想

出所:2025年3月期会社予想はQUICKより集計、会社予想を公表しない企業については市場コンセンサス予想を使用。楽天証券経済研究所が作成

 楽天証券では、今期4.8%の増益を予想しています。会社予想は保守的(控えめ)で、いずれ上方修正されていくと予想しています。

 日本株の上値を抑えている、もう一つの要因が為替です。為替変動が非常に大きくなり、円高が進むリスクも意識されていることが、日本株の上値を抑えています。

ドル円為替レート日足:4月26日~5月17日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

日本株の投資判断

 日本株は割安で、長期的には上値余地が大きいと考えていますが、目先、円高に反転するときや、米国株が反落するときは、ショック安となるリスクもあり、注意が必要です。

 時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

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