ナスダック100の上位構成銘柄を「ビッグ・セブン」と呼ぶ
ナスダック100指数は、時価総額加重平均指数(金融を除くナスダック上場銘柄100社で構成されている)で、時価総額の大きなビッグテック銘柄の値動きから大きな影響を受けます。図表2は、ナスダック100指数を構成する時価総額上位10社の年初来騰落率を比較したものです。
エヌビディアやメタ・プラットフォームズの株価が年初来で倍になっているほか、GAFAM銘柄が総じてナスダック100指数より優勢となっています。
ここで、時価総額が80兆円以上の銘柄を「ビッグ・セブン」(大手7社)と称して分類すると、その年初来騰落率の平均は+57.7%となっています(5月24日)。
これらビッグ・セブンの株価堅調の背景としては、(1)「対話型AI革命」の進展がエンジンとなりインターネット系プラットフォーマーが物色されている、(2)ビッグテックは財務基盤やキャッシュフローが盤石であり金融不安に対する耐性が見込まれている、(3)CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)の前年同月比伸び率が10カ月連続で減速し、期待インフレ率の低下で債券市場金利が比較的安定しているなどが挙げられます。
なお、こうしたビッグ・セブン(時価総額順:アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラ)全ての銘柄を1株ずつ購入して分散投資ポートフォリオを構築するとしても合計投資金額は1,460ドル程度にとどまります(24日時点の終値で試算)。
もとより米国株式は1銘柄1株から売買することが可能です。ナスダック100に連動するETF(上場投資信託)に投資する方法以外に、時価総額上位7銘柄を買い付けることで比較的手軽に「米国市場のビッグテックに集中分散投資することが可能である」との点に注目いただけると思います。
<図表2>「ビッグ・セブン」は相対的に買われている
シンボル | 銘柄名 | 直近 株価 :ドル |
時価 総額 :億ドル |
時価 総額 :兆円 |
年初来 騰落率 :% |
---|---|---|---|---|---|
NDX | ナスダック 100指数 | 13,604.48 | 163,318 | 2,273.22 | 24.4 |
AAPL | アップル | 171.84 | 27,028 | 376.21 | 32.3 |
MSFT | マイクロソフト | 313.85 | 23,336 | 324.82 | 30.9 |
GOOGL | アルファベット | 120.90 | 15,397 | 214.32 | 37.0 |
AMZN | アマゾン・ドット・コム | 116.75 | 11,979 | 166.74 | 39.0 |
NVDA | エヌビディア | 305.38 | 7,552 | 105.12 | 109.0 |
META | メタ・プラットフォームズ | 249.21 | 6,387 | 88.89 | 107.1 |
TSLA | テスラ | 182.90 | 5,797 | 80.69 | 48.5 |
AVGO | ブロードコム | 679.53 | 2,833 | 39.43 | 21.5 |
ASML | ASMLホールディング | 666.79 | 2,688 | 37.42 | 22.0 |
PEP | ペプシコ | 184.89 | 2,547 | 35.45 | 2.3 |
(出所) Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2023年5月24日) |