クレディ・スイス、ファースト・リパブリック・バンクに信用不安が飛び火

【1】欧州に飛び火

 先週は、シリコンバレー銀行およびシグニチャーバンク破たんから、欧米の金融業に信用不安が飛び火しました。欧州では、かねてより経営不安がうわさされていたクレディ・スイス(CS)の株価が急落しました。

 15日に筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクの会長がCSに追加出資しないと述べたと伝わると、CS株を一段と売り込む動きが出ました。

 スイス当局は、スイス第二位の銀行であるCSを救済するためにすぐに動きました。スイス国立銀行(スイス中央銀行)はCSへ500億フランの資金注入を表明しました。また、スイスのトップ銀行UBSが、CSを買収することが決まりました。

【2】米地方銀行にも信用不安が飛び火

 米国の地銀株全般にも、信用を嫌気した売りが広がりました。破たんしたシリコンバレー銀行には逃げ足の速い大口の法人預金が多かったことから、法人預金の多いカリフォルニア州のファースト・リパブリック・バンクの株価が大きく下落し、信用不安が高まりました。

 JPモルガンやバンク・オブ・アメリカなど大手11行が16日、合計300億ドルをファースト・リパブリック・バンクに資金支援を決めましたが、同行からの預金流出は大きく、信用不安は収まっていません。