コアコア・インフレ率が3.0%まで上昇、日本にインフレ定着するか?

 総務省が1月20日に発表した昨年12月時点の日本の総合インフレ率は4.0%まで上昇しました。コアコア・インフレ率は、3.0%まで上昇しました。

日本のインフレ率:2022年12月

出所:総務省統計局より楽天証券経済研究所が作成

 日本の長期金利の先行きを考える上で重要なのは、コアコア・インフレ率です。

日本の総合インフレ率、コアコア・インフレ率推移:2021年10月~2022年12月

出所:総務省統計局より作成

 日本の総合インフレ率は、昨年4月時点で2%を超えました。ただし、この時点ではコアコア・インフレ率はまだ0.8%でした。エネルギー価格の上昇によってインフレが起こっているものの、ほとんど輸入インフレ(輸入品の価格上昇)で、国内にはインフレ要因がないと考えられていました。

 ところがその後、上昇が続き、ついにコアコア・インフレ率が3%に達しました。輸入インフレではなく、国内インフレが3%に達したということができます。日銀が、12月に10年金利の上限を0.25%→0.5%と引き上げざるを得なくなった背景に、コアコア・インフレ率の上昇があります。

 ただし、日銀は0.5%以上に10年金利を引き上げることは拒否しています。今年の後半にまた、インフレ率が2%を下回るとの見方をしているからです。日本にインフレは定着しないとの見方です。

 日銀の見立て通り、年後半に日本のインフレ率が2%を下回るならば、これ以上の金利上昇はなくてすむかもしれません。

 一方、日銀の見立てが間違っていて、年後半も日本のインフレ高止まりが続くと、日本の長期金利にさらなる上昇圧力がかかる可能性があります。