インデックスファンドに投資するなら、投資信託とETF、どちらが良い?

 世界経済に不安が増えて世界株安が続いています。こんなとき、日経平均株価やS&P500種指数(米国株)などの株価指数への連動を目指すインデックスファンドにこつこつと積み立て投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると判断しています。

 インデックスファンドに投資する際、「投資信託とETF(上場投資信託)、どちらが良いですか」という質問をよく受けます。今日はその質問に回答します。

 投資信託とETFのメリット・デメリットを比較すると、1冊の本が書けるくらい、たくさんあります。全て書くことはできないので、今日は中でも特に重要なこと、インデックス投資を始めるに当たって知らなければならない最初の1歩として、売買方法の違いと、売買に関するメリット・デメリットだけ解説します。

 結論からいうと、投資信託もETFも一長一短で一概にどちらが良いとは言えません。誰でもかんたんに始められる点で投資信託は優れていますが、使い方(売買の仕方など)に習熟すればETFの方が使い勝手が良い面もあります。

 日経平均インデックスファンドを例に、投信とETFを比較します。

日経平均連動型の投資信託とETF:売買方法の違い、売買に関するメリット・デメリット比較

出所:楽天証券経済研究所が作成

 日中、忙しくて場(取引所での価格変化や売買注文の入り方)を見ていられない人には、投資信託が便利かもしれません。価格変化を見ながら、指値を考えたりすることのできる人には、ETFが良いとも言えます。

 なお、ETFを選ぶ際、時価総額や流動性は大切です。なるべく時価総額が大きく、流動性が大きいものを選びましょう。

 売買について、もっと詳しく説明すべきですが、それは別の機会にします。今日は、ETFに投資するもう一つのメリット、「貸株サービスに出して貸株料を得る」可能性について、説明します。ETFは、一般の上場株式と同様に、貸株に出せることがあります。ETFに長期投資するならば、貸株を同時に考えても良いと思います。

 以下、「貸株サービス」【注】について詳しく解説します。以下、要約です。

【注】楽天証券の貸株には、「貸株サービス」と「信用貸株」がありますが、今日のレポートでは「貸株サービス」に絞って、説明します。

<貸株(かしかぶ)のメリット>

●お持ちの株式を、貸株に出すと、貸株金利が得られます。
●貸株中の銘柄もいつでも売却可能です。普通に売り注文を入れるだけです。
●ETFにも貸株サービスに出すことができる銘柄があります(ETFS/ETNは対象外)。

<貸株のデメリット>

●貸株をしたままだと、配当金や株主優待が得られません。
 →「株主優待・予想有配優先」を選択して貸株を行えば、権利確定日だけ、自動的に貸株が皆さまに返却されますので、優待・配当金を得られます。
継続保有特典つきの株主優待銘柄を長期保有している場合、その銘柄は貸株をしない方が無難です。「株主優待・予想有配優先」で貸株をしていても、継続保有特典が失われる可能性があるからです。
●楽天証券の信用リスク
貸付いただいた株券などは、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。