株価は上がるか、下がるか、企業業績と相場トレンドをチェック

 次に、相場のトレンドについても見ていきます。

図3 日経平均(日足)とRSI (2022年4月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3は、図1よりも少し期間が長めの日経平均(日足)の値動きとRSI(相対力指数)の推移です。こちらも前回のレポート「株式市場は意外と堅調?[FRBに逆らうな]なら、株価は重いかも」でも紹介し、「何だかんだで戻りを試しにいく展開になりそう」と指摘する根拠となった、株価とRSIの逆行現象について触れました。

 結果的に先週の値動きは想定通りの展開となっていて、状況は今もあまり変わっていません。今後も株価の戻り基調が続いた場合、昨年9月14日を起点とする、戻り高値どうしを結んだ上値の線が、抵抗として意識される可能性があります。

 ちなみに、現在の上値ラインは2万8,000円を少し下回ったところに位置しているほか、上値ラインのすぐ上には200日移動平均線も控えているため、新たな買い材料が出てこなければ、当面の上値の目安は2万8,000円水準となりそうです。

 そして、「株価が上がるのか、下がるのか」のカギを握るのは、これから本格化していく国内企業決算の動向次第になります。

図4 国内企業の決算発表スケジュール (2022年4月22日取引終了時点)

楽天証券HP 国内株式決算カレンダーより

 上の図4を見ても分かるように、今週の国内企業の決算発表は週末28日(木)に最初のヤマ場を迎え、大型連休明けの5月9日の週にラッシュとなります。

 とりわけ、5月13日(金)の発表件数は1,200件を超えています。連休明けの件数の多さからすると、今週は個別の動向に反応するものの、相場全体に波及しにくいことも考えられそうです。

 また、国内企業は業績見通しを慎重に見積もるところが多いほか、円安進行や原材料価格の高騰による業績への影響を、企業がどう捉えているのかを見極める必要があります。

 今週はキーエンスや信越化学、デンソー、日立、村田製作所、ファナックなど、輸出関連企業の決算が中心となりますが、連休明けからは内需関連企業の決算も増えてきます。

 今週は、足元の円安が追い風となる輸出型企業への期待が高まる一方、連休明けには円安が逆風になる内需関連企業への警戒も考慮すると、週末にかけて手じまいの売りが出てくるかもしれません。