政治も、為替を動かす重要な要因である
ドル/円は、日米金利差だけで動いているわけではありません。政治圧力にも振り回されます。
米国が円安を容認している間は、円安が進みやすい一方、米国から円安批判が出ると、円高が進みやすくなります。
2012~2014年、金利差の拡大で説明できないほど円安が進み、2015~2016年にその反動で金利差が拡大する中で円高が進んだ背景に、政治圧力があります。その部分の説明を加えたのが、以下のチャートです。
(再掲)ドル/円レートと、日米2年債利回りの差:2008年1月~2022年4月(5日)
【1】2012~2014年
日本が異次元緩和で事実上の円安誘導をする中、米国は円安を容認していたので、日米金利差では説明できないほど、大幅な円安が進みました。
【2】2015~2016年
2016年には、米大統領選キャンペーンで共和党候補だったドナルド・トランプ氏(前大統領)と、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏が、ともに円安を批判したことをきっかけに、円高が進みました。トランプ前大統領が、日本の対米黒字を問題視していたことも、潜在的な円高圧力となりました。