今週:米国の物価指数・雇用統計に注目!原油高・金利上昇が心配

 今週も、ウクライナでロシア軍劣勢が続くようなら早期停戦期待が高まり、株価上昇につながるかもしれません。

 逆にロシア軍が生物化学兵器を使用するなど、より凄惨(せいさん)な攻撃に出れば、再び緊張が走るでしょう。

 25日(金)夜には、イエメンの反政府武装勢力がサウジアラビアの石油施設を攻撃。今後、北海で産出される欧州向けのブレント原油などの価格が再び120ドル台を超えて上昇し続けると、株安につながる恐れもあります。

 今週注目の経済指標は31日(木)に発表される、米国の2月個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)です。

 1月は前年同月比6%台まで物価が過熱しましたが、2月分も予想値は6.4%の上昇となっています。

 同指数は、米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)でも最重要視されるデータ。もし物価高がさらに深刻化すれば、5月4日(水)のFOMCでの0.5%利上げが現実味を帯びます。

 4月1日(金)には、ロシアからの禁輸措置の影響を受けるユーロ圏の3月消費者物価指数の速報値が出るほか、米国の3月雇用統計も発表されます。

 非農業部門新規雇用者数は2月の67.8万人増に続き、48万人の大幅増が予想されています。平均時給が上昇してインフレ懸念につながらなければ、雇用者数の増加は株価にとってポジティブです。

 今週の日本株市場は、3月29日(火)が3月期決算企業の配当権利付き最終日。配当権利を取りにいく動きで、週前半、株価がさらに上昇する期待が高まります。

 4月は通常、新年度入りで株価が上がりやすい時期です。

 しかし、世界的な物価高に加え、米国では10年国債の利回りが2.4%台まで上昇。短期金利の上昇も顕著です。

 3月上旬の総悲観から一転、3月中旬は総楽観となりましたが、この先揺り戻しがあってもおかしくありません。

 株式市場は人間の激しい心理的な変化を映す鏡でもあるのです。