年末年始相場はオミクロン型次第⁉地政学的リスクにも注意!

 今週は年末ということで、目立った経済指標の発表はありません。

 米国では、クリスマス後から年始すぐまでは新年に向けた新規資金流入で上昇相場になりやすいといった指摘もあるので、期待したいところです。

 オミクロン型の感染拡大に伴う入国制限やロックダウン(都市封鎖)が逆風ですが、重症化率が低いというデータも出てきています。

 先週は、米メルクや米ファイザーが開発するコロナの軽症者向け飲み薬に緊急使用許可が下りました。日本でも24日、メルクの飲み薬が特例承認されました。

 一方、地政学的リスクにも注意が必要です。ロシア軍がウクライナ侵攻に向けて軍を配備するなど、ロシアと欧米諸国の対立が激化。台湾をめぐる中国との対立も含め、2022年はこうした政治や軍事的な緊張の高まりが株式市場の波乱の芽になる可能性があります。

 もっとも、1番の懸念材料は、インフレとそれを防ぐための金融引き締めです。

 米国のS&P500やナスダック総合指数は2020年3月のコロナショック以降、2年弱で2倍以上も上昇しました。その理由は実体経済の成長というより、中央銀行がコロナ対策でお金を市場に大量供給してきたから。

 インフレのせいで金融引き締めに動かざるをえない以上、2022年はどこかでかなり大きな株価の調整が起こりそうです。

 ただし、コロナ禍の物流停滞や人手不足が解消して、好景気でも物価が上昇しない「適温経済」に戻れば、株価も落ち着くでしょう。

 コロナの感染拡大と世界的な物価上昇がいつ収まるかが、2022年の鍵になりそうです。