割安高配当株が注目される。IPOラッシュで新興株は要注意

 週明け20日(月)の日経平均株価終値は、先物市場で米国株が続落したこともあって、前日比607円安で再び2万8,000円を割り込みました。

 今後、年末年始の相場はいったい、どうなってしまうのか、と心配の方も多いでしょう。世界の株式市場が再び上昇機運に戻るためには何が必要なのでしょうか?

 各国中央銀行が金融引き締めを急いでいるのは物価上昇のせいですが、物価が上昇するとお金の価値は相対的に下がります。その点、株式は企業という一種の「モノ」に投資しているので、インフレに強い金融商品とされています。

 しかし、現在の株式市場には、物価高や金融引き締めで、今後景気が悪くなるという懸念が台頭。それが株安につながっています。

 たとえ中央銀行が利上げに走っても、景気自体が好調で企業の業績も伸びるという期待感があれば、株価も上昇に転じるでしょう。

 また金融引き締めが続く中では、割高な成長株より、業績に比べて株価が割安で配当利回りが高い株に対する人気が高まる可能性もあります。

 状況が落ち着いてくれば、世界的に見て割安感が強い日本株が見直される可能性がないとは限りません。

 ただ、今週は欧米で新型コロナウイルスの変異株・オミクロン型の感染が拡大していることも、株価続落の要因になりそうです。

 特に東証マザーズなど新興市場では22日(水)に6社、24日(金)に7社など、過去最高レベルのIPO(株式新規公開)ラッシュが控えています。

 IPO株を買う資金捻出のため、他の新興株が売られる可能性があり、東証マザーズ市場の動向が心配です。

 注目すべき経済指標としては22日(水)に米国が発表する12月の消費者信頼感指数。物価高に直面する米国消費者の景況感を探るうえで大切です。

 23日(木)に発表する11月個人消費支出の物価指数(PCEデフレーター)にも大きな関心が集まるでしょう。

 10月の同指数は前年同月比5.0%と上昇が加速しており、今回の予想値は5.7%の伸び。それを上回るようだと株価にも大打撃です。

 日本国内でもコロナの変異株・オミクロン型の市中感染が危ぶまれ、感染者増加に警戒が必要です。

 クリスマスで取引量が減る中、突発的な動きが起こる可能性もあるので注意しましょう。