米国高配当株1:MSCインダストリアル・ダイレクト(MSM)

 切削工具、測定器、ツーリングコンポーネント、金属加工製品、ファスナー、フラットストック、研磨剤、機械用ハンド&パワーツール、清掃用品、配管用品、電気用品など、幅広いMRO(副資材)製品の販売・配送をしています。

 時価総額は47億ドルで、日本円で約5,400億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業は金属加工およびMRO製品・サービスの販売を一つの事業セグメントとしています。

 その中で、顧客先別の売上高は重工業(Manufacturing Heavy)で、続いて軽工業(Manufacturing Light)、官公庁(Government)、小売/卸売(Retail/Wholesale)、商用サービス(Commercial Services)となります。

 また、地域別売上高の中心は米国で、続いてメキシコ、英国、カナダとなっています。

出所:決算データより筆者作成

競合他社

 競合他社として、工業用品と建設用品の卸売販売を行うファスナル(FAST)、動力伝達と流体動力の2つの事業セグメントを通じて製品ラインベースで事業を運営するゲイツ・インダストリアル(GTES)、製品およびサービスの保守・修理・運用をする企業間販売代理店であり、主に北米、日本、および欧州で事業を展開するW・W・グレインジャー(GWW)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値まで戻っていませんが、配当は横ばいで推移しています。

 2020年、新型コロナウイルスまん延の影響で一時的に株価は下落しましたが、その後、米国の株価指数上昇に伴って同社の株価も回復。元々、大きく株価が動く銘柄ではないため、2021年に入ってからは一定のレンジで推移しており、今後も安定した業績を背景に、株価も底堅く推移することが期待されます。

業績動向

 2021年10月20日開示の四半期決算ではEPS(1株当たり利益)・売上高ともに市場予想を下回りました。

 しかし、決算を受けて株価はわずかに下落したものの影響は軽微でした。市場予想には届かなかったものの、前年同月比と比較してEPS・売上高ともに拡大しており、インフレに伴って取り扱い製品の価格に転嫁している点も評価されているようです。

 次回は2022年1月12日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 サプライチェーンが世界的に混乱しており、現在は影響が少ないものの、国産代替品の用意が困難になる可能性に注意が必要と会社側は考えており、その際には業績の悪化につながる可能性があります。

株価動向、配当利回り

配当:3.00ドル
配当利回り:3.54%
株価:84.67ドル(約9,700円)

 権利落ち日は1月中旬予定(権利実施は1月下旬予定)です(2021年12月13日時点で未確定。2021年1月を参照)。

 配当は3.00ドル、配当利回りは3.54%、株価は84.67ドルで約9,700円から購入できます。

 2018年以降の最高値は95.62ドル、最安値は44.82ドルです(終値ベース)。