TOPIXは上値ラインの攻防が目立つ

 先週のTOPIX(東証株価指数)についても見ていくと、日経平均と同様に「下落してから戻す」という展開だったのですが、こちらは「上値ラインの攻防」という注目点があります(下の図3)。

■(図3)TOPIX(日足)の動き(2021年11月12日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 11月に入ってからのTOPIXは、9月14日からの直近高値同士を結んだ上値ラインから上放れできないという状況が続いており、先週末12日(金)もこの上値ライン付近で取引を終えています。

 このラインを突破できれば、図2でも確認した、水色の上昇ギャン・アングルの4×1ラインまでの上昇も見えてきます。

 図1のレンジをはじめ、図2のギャン・アングルのライン、図3の上値ラインなど、足元の日経平均やTOPIXは、いわゆる「節目」とされるところで、株価がもみ合っている状況が目立っています。

節目の突破パターン

■(図4)株価の節目突破について

 一般的には、こうした節目を「どのように突破するか」によって、その後の株価の動きに少なからず影響を与えるとされています。上の図4はその節目の突破パターンをざっくりまとめたものです。

 前回のレポートでは、「リターン・ムーブ」型を期待させる格好のチャートが多く、それが強気のシナリオを描く理由の1つとなっていたのですが、先週の値動きによって、「もみ合って突破」型が増え始めており、先週に比べ強気のトーンはややダウンしている状況と言えます。

 もちろん、強気の見方自体は維持して良いと考えますが、しばらくもみ合いが続いてしまう展開や、下げに転じてしまう展開についても、ある程度、想定しておく必要が出てきたと思われます。