毎月同じことを繰り返しているのは市場ではない!それは実行中のプログラムである

 以下の記事はゼロヘッジに掲載された「失敗は許されない」という記事の抜粋である。今の市場のすべてを表現している。

【すべての市場の下落は、FRB (米連邦準備制度理事会)のバランスシートの縮小または一時停止と一致しているように見える。

 いや、何百万人もの個人投資家の判断によって動かされているはずの市場が、毎月同じことを繰り返しているのは市場ではない。それは実行中のプログラムであり、軌道上を走るだけだ。

S&P500と主要中央銀行の資産の推移

出所:ゼロヘッジ

 つまり、市場は現在、毎週新高値を更新しなければならない状況にあり、そうでなければトレンドが崩れ、それに伴ってボラティリティがブレイクアウトする危険性がある。

 最初のトレンドブレイクは、最初のうちは買われるかもしれないし、そのうち新高値をつけるかもしれないが、技術的には壊滅的な結果になるだろう。この巨大な醜いパターンは、このすべてのバブルに悲惨な結果をもたらすことを示唆していることを忘れてはならない。

 中央銀行の介入によって資産価格が経済から切り離され、所有者層に有利になる範囲と期間には限界があるのか、それとも限界はないのか。もし限界がないのであれば、この列車は永遠に続き、富の不平等は拡大し続け、自由市場での価格発見や創造的破壊の概念は、もはや市場や経済とは無関係になってしまう。

 限界があるとすれば、コントロールを失ったときには壊滅的な打撃を受け、より大きな平均への回帰が歴史的な崩壊をもたらすことになるだろう。

 一般的な批判は、富の不平等が拡大していることだったが、現在、この富の不平等の拡大は、インフレの出現によって新たな局面を迎えており、過剰な政策をとる中央銀行は、自分たちを救世主のように見せかけながら、貧しい人々や虐げられている人々に明白な戦争を仕掛けている】

出所:ゼロヘッジ「Failure Is Not An Option(失敗は許されない)」

 ジャクソンホール会合前に相次いだタカ派的な連銀総裁発言と、パウエルFRB議長のトーンは大きく異なった。

「議長に再任されたい!」という意志だけを感じた内容のないパウエルFRB議長のジャクソンホールオンライン講演で、市場のテーパリング不安は和らいだらしい。パウエルがFRB議長に再任されるためには、バイデン政権とイエレン財務長官を喜ばせなくてはならないのである。米国株相場は再び最高値更新相場となっている。