ジャクソンホール会議に要注目。株価急落の好業績株は仕込み時!?

 今週、最も注目されているのは、FRB(米連邦準備制度理事会)の理事たちが多数参加する経済シンポジウム・ジャクソンホール会議です。

 パウエル議長の講演は日本市場終了後の27日(金)に予定されていますが、テーパリングの開始時期や方法について明確な言及があると、9月にも開始されるのではという懸念が広がり、株価の下げ要因になりそうです。

 ここまで米国株が史上最高値更新を続けてこられたのも、FRBが米国債などの債券を毎月1,200億ドル(約12兆円)も買い続けて、市中にお金をじゃぶじゃぶ供給してきたから。お金の蛇口を閉めるテーパリングが始まれば、当然、株価には大きな下げ圧力になります。

 懸案のテーパリング開始時期に影響を与えそうなのが、毎週木曜日、今週は26日に発表される週間の新規失業保険申請件数。先週は申請者数が34.8万件と4週連続で改善しており、今週も改善すると逆にテーパリングの早期開始が懸念される可能性もあります。

 27日(金)にはFRBが物価上昇の基準として最重要視するPCEデフレーター(個人消費支出)も発表されます。

 前回は前年同期比3.6%増でしたが、今回の7月分でも高い伸びが持続すると、その1時間半後にジャクソンホール会議のパウエル議長講演が予定されているため、波乱要因になりそうです。

 他にも米国では、23日(月)の製造業PMI(購買担当者景気指数)や25日(水)の耐久財受注など、製造業関連の経済指標も発表されます。

 トヨタ自動車の減産でもわかるように、コロナ禍や半導体不足で世界中の製造業はサプライチェーンの混乱による生産停滞の影響を受けているので、要注目です。

 国内では、22日(日)の横浜市長選挙で自らが支援した候補が落選した菅政権の末期的な状況が、株価の足を引っ張りそうです。

 とはいえ、株式相場は例年、9月に入ると年末年始に向けた上昇相場に転換することが多いもの。まだまだ予断は許しませんが、マザーズ市場の復調などを見ると、ある意味、大きく下げた好業績株などを安値で仕込むチャンスの時期かもしれません。