DCの投資スタンスは基本、様子見でいい

 今までのDC加入者は、“いい意味での「ほったらかし投資」“をしていました。これは無関心による部分も少なからずあったのかもしれません。

 しかし、利用する人が増え、徐々に投資に対する関心も高まっている今、そうした無関心が故の「ほったらかし」に頼るのは難しくなっています。

 投資教育に関わる人の考え方や技量にも影響するところがありますが、ここから先は少しずつ意識を変えて“分かった上での「ほったらかし投資」“にステップアップが必要なのでしょう。

「安く買って、高く売る」というのは簡単ですが、その「高いところ」を見間違えて売ったのが、2020年10~12月の売買動向だといえますし、「安い」どころか大幅に値上がりしてる流れで買ってしまっているのが、2021年1~3月の売買動向です。

 しかし、それぞれの瞬間では、自分の行った投資判断が間違っているとは思いません。それが投資判断の難しいところです。

 DCは定期的な拠出のみで積み立てし、まとまった額の任意拠出はできません。投資信託ですから売買タイミングも選べません。投資対象もベーシックなインデックスファンドが中心で、銘柄選びを行う余地もほとんどありません。

 またゴールは60歳以上と、遠くに固定されています。基本的には上下動を繰り返す市場と長期・積み立て・分散投資を続けていき、ひんぱんな売買を行わない方が、労少なくしてベターな運用結果にたどりつくと思われます。

 今回、短期的には判断を失敗した人はその教訓を生かし、これからは中長期的な回復や上昇を待ちたいものです。DCは基本的に、あわてて動かないほうがいいのです。