「売り」と「買い」の行動が大きかった!最近のDC投信売買動向

 DC向けの投資信託(ファンド)は以前から販売手数料を無料にすることが多く、ノーロード(手数料無料)設定が主流でした。また運用管理費用(信託報酬)も窓口販売と比較して低めに設定されることが多く、「DC専用ファンド」のように区分されています(一般に販売されているファンドとDC専用ファンドがマザーファンドから分かれる仕組み)。

 このDC専用ファンドの動向を見ると、DC加入者の投資動向がおおむね、うかがい知れるわけですが、2020年10~12月、そして2021年1~3月には対照的な傾向が見受けられたようです。

 年金専門誌「年金情報」によれば、2020年度第3四半期の売買動向を見ると、購入については前年度同期とほぼ変わらない水準であったものの、売却のほうはプラス25%と急増しました。

 特に国内株ファンドについては購入額を売却額が上回る状態です。基本的には、毎月の掛け金で購入する動きがありますから、何もなければ基本的に購入額がプラスになります。これを考慮すると、いかに売却の動きが激しかったかが、分かります。

 背景となったのは2020年の最後にやってきた大幅な株高でしょう。値上がりを見て「これは売らなくちゃ!」という動きがあったものと思われます。

 一方で、「モーニングスター」の最新ニュースなどを読み解いてみると、2021年に入ってからの3カ月(2020年度第4四半期)は、DC専用ファンドの売買動向は「買い」が優勢、とのことです。新規導入したDC企業の影響もあったようですが、バランス型ファンド、外国株(先進国)株式ファンドに大幅な資金流入があったとみられています。

 これはつまり「上がっている! さあ買わなくちゃ」という動きがあったということですが、さて半年の市場の流れを考えてみると、この投資判断はどうでしょうか。