※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説]1ドル110円台に なぜ今、円安?ドル円を動かす「3つの力」
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米長期金利の上昇で、ドル高(円安)進む

 3月末にかけて、為替市場で急速にドル高(円安)が進み、1ドル110円台に乗せました。ドル長期金利(10年国債利回り)の上昇が予想以上に速かったことを反映して、為替市場でドル高が進みました。日本の長期金利(10年国債利回り)が0%前後で大きく動かない間に、ドル長期金利は1.7%台まで上昇しました。結果として、日米長期金利差が拡大、円からドルへ投資資金がシフトすることを織り込み、ドル高(円安)が進みました。

ドル/円為替レートと日米長期(10年)金利差の月次推移:2018年1月~2021年3月

注:楽天証券経済研究所が作成

 上のチャートをご覧いただくとわかる通り、2019年に入ってから、米FRB(連邦準備制度理事会)の積極的な利下げ・金融緩和を受けて、米長期金利は急低下していました。2020年2月にコロナショックが起こると、さらに下がりました。

 ただし、その後、米長期金利は上昇を始めます。米景気がコロナショックから立ち直り、急速に立ち直るにしたがって、米長期金利の上昇に、はずみがつき、ドル高(円安)も一段と進みました。

 このように、ドル/円を動かすもっとも大きな力は、日米金利差の変化です。ただし、ドル/円はそれだけで動いているわけではありません。以下、3つの力が相互に影響しあって動いていると考えられます。