日経平均とTOPIX、今後の値動きの目安

 そこで、今後の日経平均の値動きの目安についても考えてみたいと思います。

■(図4)対数表示の日経平均(日足)とギャンアングル(2021年3月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4は、日足の日経平均チャートを対数表示させたものに、ギャンアングルを重ねたものです。対数表示は、左側の目盛を見ても分かるように、株価が高くなるにつれて、目盛の幅が狭くなります。

 日経平均はこの1年間のあいだに、1万6,000円台から3万円台へと倍近く上昇してきましたが、当初の1万6,000円の水準で株価が10%動くとその値幅は1,600円ですが、3万円水準の時は3,000円と大きくなり、同じ10%でもその中身が変わってきます。チャートの対数表示はこの株価の変動率を考慮したものになります。

 あらためて図4を見ると、日経平均は25日や75日移動平均線をサポートにして、ギャンアングルの「3×1」ラインを上値のメドとして推移してきたことが分かります。今後も同様の範囲内での展開がメインシナリオになりますが、株価が75日移動平均線を下抜けてしまうと、「4×1」ラインを目指していくサブシナリオが浮上してくると思われます。

■(図5)TOPIX(日足)とギャンアングル(2021年3月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 続いてTOPIXについてもギャンアングルで見ていきます。TOPIXの数値は日経平均ほど大きくなっていないため、こちらは対数表示ではなく、通常の表示になります。

 昨年の12月あたりから、ギャンアングルの「3×1」ラインと25日移動平均線がほぼ重なっていることが分かります。また、株価と「2×1」ラインとのあいだにはかなりの距離があり、積極的にトライしている印象は受けません。つまり、25日移動平均線および「3×1」ラインをサポートにして乖離(かいり)と修正を繰り返しながら株価水準を切り上げてきたことになります。

 下段に25日移動平均乖離率を表示させていますが、株価が大体5%ほど乖離が進むと伸び悩む傾向があります。先週末19日(時点)では約4%ですので、そろそろ一服感が出てくるかもしれません。