日経平均先物「踏み上げ」はほぼ終了か

 3月5日時点で、裁定売り残が1兆2,021億円まで減少すると同時に、裁定買い残が1兆4,111億円まで増加。久々に、裁定買い残が売り残を上回りました。

 空売りを積み上げていた投機筋の買い戻しが進むと同時に、逆に投機的な買いポジションを持ち始めている投機筋が出てきていることがわかります。

 このことから、日経平均先物「踏み上げ」による先物買いは、そろそろ終了しつつあると考えられます。先物主導の空中戦が終わり、景気実態を見極めた上での、実需筋の売買が中心になってくると考えられます。

 ここから先は、景気・企業業績のモメンタムを見ながらの売買となります。コロナショックからの急回復が続くと想定されるので、日経平均は堅調に推移すると予想しています。

 裁定買い残が2兆円を超えてくると、短期的な相場過熱→反落への警戒が必要になりますが、現時点ではまだその水準ではありません。

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