何が起こったら、宴が終わる?注意すべき3つのシグナル

 今、世界景気は回復しつつあるものの、多くの人が、回復の持続性に疑念を抱いています。回復に疑念を抱く人が多い間は、景気回復は株価に織り込み済みと言えません。

 弱気派が減って、世の中のマジョリティ(多数派)が景気に強気になるまで、株価上昇は続くと考えています。

 私は、これから景気回復が徐々に鮮明になっていき、それにしたがって、景気に強気の人が少しずつ増えていくと考えています。その間、日経平均およびNYダウは急落を挟みつつも切り返し、下値を切り上げていくと予想しています。

 目先、日経平均はスピード調整局面に入った可能性がありますが、いずれ切り返して年内に3万円をつけるとの予想を継続します。

 それでは、どんなことが起こった時に、株式市場の宴は終わるでしょうか? 私は、以下3つのうちのどれか、あるいはすべてが見えてくる時には、株価は景気回復の織り込みを終えて、下落局面に入る警戒が必要になると考えています。

【1】米国長期金利が2%を超える時

 流動性相場がいったん終了する可能性が高まります。

【2】「財政の崖」が起こることが意識される時

 2021年は米国・中国の公共投資が世界景気を押し上げると予想されます。ただし、巨額の公共投資は何年も続けてやることはできません。

 2022年には財政の崖(公共投資の減少)が景気押し下げ要因となる可能性があります。米中の公共投資による景気押し上げ効果の息切れが意識されるとき、株式のラリーは終わる可能性があります。

【3】2022年の企業業績が話題になるとき

 2021年は、製造業などで業績急回復が予想されます。ただし、2022年には回復が鈍化すると考えています。2021年の終盤になると、株式市場の注目点は2021年の業績ではなく、2022年の業績に移ります。その織り込みが始まる2021年の終盤には、要注意と考えています。

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