2:米国新大統領の政策(1月)と米議会の動向

 いまだにトランプ米大統領が敗北宣言をしていないのは米大統領選史上、前代未聞ですが、為替を見る上では無視するわけにはいきません。1月20日の新大統領就任ではっきりしますが、新大統領の政策がどのように変わるのか、そして公約ベースではなく、現実に施行される政策に注目です。

 また、1月5日のジョージア州上院議員選挙の結果によって議会がねじれ議会になるかどうか注目です。期日前投票では民主党優勢とのことですが、選挙結果は数日かかるようです。

 もし、民主党が上院で過半数を取れず、ねじれ議会になれば、政策施行が困難になることが予想されます。民主党はねじれ議会だけでなく、党内左派との調整にも難航が予想されます。

 そして1月6日の上下両院合同会議での選挙人投票の開票が行われ、1月20日の大統領就任へと続きます。1月20日の大統領就任演説に注目です。大統領選挙によって分断された米国社会をどのように融和させるのか、発信エネルギーと表現の演説力に注目です。分断が根深く残れば、新大統領は国内問題にエネルギーが注がれ、外交が手薄になる懸念があります。

3:ポスト・メルケル(9月)の欧州政治動向

 これまで欧州のリーダーだったメルケル独首相がこの秋、退任となります。ポスト・メルケルの欧州は、世界における欧州のリーダーシップが弱まる可能性があります。9月のドイツ連邦議会選挙で現在の与党が維持され、メルケル氏の後継者を欧州や世界がどのように評価するのか注目です。期待外れだとユーロ売り材料になります。

 日本も10月に衆議院議員の任期満了となるため、それまでに衆議院選挙が予想されます。政治変動が起きるのかどうか、菅政権が替わるのかどうかに注目です。