相場が安定すると織り込みやすい「長期成長期待」

 資産形成を実践するにあたっては「リスクとリターンのバランス」を再認識したいと思います。

 米国市場で注目度が高いナスダック100指数のリスク(リターンのブレ)は市場平均(S&P500指数)と比較して高かったものの、中長期でみたリターンも高かったことが知られています。

 例えば、1年前比騰落率で比較するとナスダック100指数が+43.4%である一方、S&P500指数は+12.2%となっています(11月4日)。業績(利益)の成長期待が総じて高いナスダック100指数のリターンが高い傾向を示す市場実績です。

 図表2は、ナスダック100指数ベースとS&P500指数ベースのEPS(1株当たり利益)について、2015年以降の実績と2020年以降の見通し(市場予想平均)を比較したグラフです。

 2020年はS&P500指数の業績が前年比9.0%減益で着地すると予想されている一方、コロナ禍でも業績の堅調が続いているGAFAM(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)を主力とするナスダック100指数の業績は、2019年に続き2020年も最高益を更新する見込み(前年比14.3%増益)。2021年も2022年も「二桁増益」を続ける見通しとなっています。

<図表2>米国株式の業績見通しをけん引するナスダック市場

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2015~2019年は実績、2020~2022年は市場予想平均)