大統領選挙でトランプが巻き返し?隠れ支持者、今回は?

 米大統領選挙まで3カ月を切った段階で、トランプ政権の対中強硬姿勢を反映して「当選予想確率」はやや変化しています。図表3は、民間調査会社が支持率動向や環境変化をもとに試算している「当選予想確率」の推移を示したものです。

 8月17日から開催される民主党大会で大統領候補指名が内定しているジョー・バイデン候補(元副大統領)はトランプ候補(現職大統領)に対し優勢を維持しています。

 トランプ大統領は、新型コロナへの対応の遅れ、経済的な影響(重傷者・死者数の増加と失業率の上昇)、BLM(人種差別反対)運動への強硬姿勢、相次いで出版された「暴露本」の影響で6月以降は「劣勢」が鮮明となりました。

 ただ、自らの選挙対策本部長を交代させた7月15日直後からは挽回に転じ、「当選予想確率の差」をやや縮めています。今年の選挙は、新型コロナウイルス、ワクチン開発、雇用情勢、人種差別運動など例年の選挙前と比べ不確定要因が多い状況です。

 2016年の大統領選挙で顕在化した「隠れトランプ支持者」(支持率調査で表面化しなかった潜在的なトランプ支持者)の激戦州での投票行動も注目されています。

<図表3>大統領選挙に向け「トランプの巻き返し」は続くか

(出所)PredictItより楽天証券経済研究所作成(2020年4月初~8月12日)