米国市場の業績見通しで確認する「グロース主導の相場」

 年初来で約20%上昇(1年前比で約30%上昇)してきたナスダック100指数も、インテルやネットフリックスなど一部IT企業のガイダンス(業績見通し)が市場予想に届かなかったことを契機に利益確定売りが先行しやすい相場となりました。

 市場センチメントの悪化次第では、7月に最高値を更新し堅調だったナスダック相場が調整場面に直面する可能性はあります。

 こうした場面では、「ナスダック相場には2000年のドット・コム・バブル崩壊と同様に暴落が待っている」との声が聞こえそうです。当時のバブル時(1990年代後半から2000年までの相場)では、ナスダック主力株に「売上はあっても利益がない(EPSが低いか損益が赤字)」銘柄が多かった状況でした。

 現在は、ナスダック100指数を構成する主力株には「EPSで黒字を拡大している」(1株当り利益が成長し続けている)企業が多くあります。「しっかりと利益が成長している」、「今後も利益成長率が高い」銘柄が多くなっています。

 図表4は、ナスダック100指数とS&P500指数(ともに時価総額加重平均株価指数)ベースのEPSの実績と見通し(市場予想平均)を示したものです。ナスダック100指数がS&P500指数の業績を上回っていることで米国株式が相対的に「グロース主導」の相場であることがわかります。

<図表4>ナスダック100指数の業績動向(実績と市場予想)

*上記は時価総額加重平均株価指数ベースのEPS実績と市場予想平均を示したものです。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年7月29日)