これから10年、景気後退も株式市場の下落もないとFEDが保証!?

出所:ゼロヘッジ

 QEインフィニティ政策とMMTがニューノーマルで、新しい資本主義の形なのだという。しかし、新しい資本主義というより、すべて国有化していくという社会主義の運動に見える。世界が国家資本主義化するのなら、一番強いのは中国だ。

米国は今や最も強力な帝国ではなく、相対的な衰退期にある

出所:The Big Cycles Over The Last 500 Years

 足元の経済は不景気のデフレだが、QEインフィニティ政策とMMTの跋扈(ばっこ)は、やがて不景気の物価高というスタグフレーションを将来招くことになるだろう。そうなれば、MMTなど吹き飛んでしまうだろう。

 MMTは金融資本主義が崩壊した後に出てきた、なれの果ての社会主義政策で、結果的にほぼすべての人々を貧乏人にする給付型奴隷社会の雛形(ひながた)である。無制限に国債や政府債を発行して、政治家や役人がその分配をした場合、堕落、腐敗、蛮行の世の中になるのは歴史の必然である。

 カネをばら撒(ま)くより、減税をやって消費を刺激し、企業の利益も増え税収も増えていく好循環に持っていくべきなのである。しかしながら、現在、世間はMMTの方向に向かっている。コロナ禍を契機に、もう、始まっているのだ。MMTをやればどこの国も英国病()時代の英国のようになるだろう。経済学者のヨーゼフ・シュンペーターは政府から十分な支援を得てしまえば資本主義は停滞すると信じていた。

英国病(えいこくびょう)、またはイギリス病
国を挙げてセカンダリー・バンキングへ傾注した1960年代以降の英国において、充実した社会保障制度や基幹産業の国有化等の政策が実施され、社会保障負担の増加、国民の勤労意欲低下、既得権益の発生、およびその他の経済・社会的な問題を発生させた現象である。