事業拡大に貪欲な総合商社

 総合商社の戦略は、資源もなく少子化が進む日本がどう生きていくべきか、まさにその道筋を示していると考えています。政府が成長戦略としてやっていくべきことは、商社がほとんど手をつけています。

 商社は、資源のない日本が生きていくのに不可欠な「日の丸資源会社」となっています。それに加え、新興国での社会インフラ整備事業にも注力しています。発電所・鉄道・上下水道などの建設・運営を幅広く手がけています。

 総合商社は、IT、バイオ、新エネルギー、ロケットなど、今すぐ花開かなくても、将来いつか大きな成長のタネになりそうなものには、片っ端から手を出しています。その貪欲さこそが、今の日本に欠けている成長力の獲得につながると思います。

 大手5社でやっている事業、リスクの取り方は異なりますが、いずれも新興国の成長を取り込みつつ、巧みにリスク管理しています。それが、投資対象として評価できるポイントです。

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