ミレニアル世代も10年以上の資産形成で1,000万円

 フィデリティ・インベストメンツが出したレポートや新聞報道では100万ドル保有者、いわゆるミリオネアが増えていることが取り上げられていました。しかしもっと興味深いのは、若い世代でもしっかり制度を活用した者には、資産形成の実績が得られているということです。

 同レポートでは、10年以上加入した場合の世代別資産残高があり、いずれも平均の10万ドルを上回ります。ベビーブーマー世代が38万9,800ドルというのもすごいですが、ジェネレーションX世代で30万4,300ドル、ミレニアル世代で14万9,800ドルもすごい数字です。

 個人的には、2000年以降に社会人となったミレニアル世代であっても、老後に向けて1,500万円(1ドル=100円換算)の獲得に成功している人がたくさんいることに注目します。

 何せ社会人になって20年以下であっても1,000万円を貯め、増やすことができているというのは素晴らしいことです。

 そして、この効果の多くは、2006年に行われた401(k)プランの法改正、いわゆる年金保護法以降の変化を如実に表しています。

 この法改正では、行動ファイナンスの知見をベースに、パターナリズムの手法を採用。「自動加入」「自動拠出率設定」「自動投資」といったアプローチを導入しました。

 実はこれ、「とにかく若いうちに加入する」「とにかく給与の一定率を積み立てる」「とにかくバランス型ファンドで国際分散投資する」という合理的行動を、半強制的に米国の勤労者の多くに実行させる仕組みでした。