2月に注目したい新興株の動き

 1月に新興株が下げた最大の理由は、「新型肺炎の防疫関連株に短期資金が群がったこと」。はっきりした理由があるだけに、1月に爆騰した中京医薬品や重松製作所、興研などのバブルが弾けた時点でリバウンドが起きることも明確です(2月3日にバブルが弾け、マザーズも無事リバウンド)。ただ、今回は相手が病原体だけに、終息宣言が出る前から「もう気にしなくても大丈夫」とも言いにくいのですが…。

 マザーズ指数に関しては、2月から構成銘柄に12月IPO銘柄が加わりました。1月末終値時点で計算したところ、12月のマザーズIPO18銘柄の中で、マザーズ指数のウエイトが高い銘柄はフリー(指数ウエイト2.91%)、JMDC(同1.23%)、JTOWER(同1.14%)。18銘柄合計で指数ウエイトは「8.92%」ですので、結構高いですね。日経平均株価の最大ウエイト銘柄ファーストリテイリングが8.9%ですので、12月IPOを塊として考えると「日経平均におけるファストリ」みたいな感じ。直近IPOが盛り上がる場面が生まれれば、マザーズ指数を結構押し上げます(逆なら押し下げる)。

 2月は7日から2020年のIPOが再開します。4銘柄が予定していて、うち2銘柄(7日のジモティー、25日のAHCG)がマザーズ上場。銘柄数が少ないので、物色のターゲットが直近IPOに向かってくれれば活気付くのですが…。今マザーズに求められるのは、物色の柱と呼べるような銘柄やテーマ。昨年はサンバイオショックがありましたが、2月にアンジェスが活況化。良くも悪くも“バイオ”が柱でした。何が出てきますかね、今年は…。

 昨年、マザーズ銘柄で一番上がったのは、オンライン英会話のレアジョブ(6096)でした(年間で株価は11倍に!)。株価が変貌する起点になったのが昨年の今頃、2月に発表した決算でした。何のテーマが流行るかを予測することは困難ですが、今回の新型肺炎の防疫関連株と同じで、短期の物色などは線香花火と同じ。すぐに関心も霧散してしまい、その先は闇です。

 マザーズ銘柄の決算発表は、今月12日に26社、13日に58社、14日に75社が予定しています。この中で、好決算を出すものを確認し、株価が強く反応しているものを追い駆ける…このスタンスで“第2のレアジョブ探し”をしていきたいところです。