値上がり率ランキング(5銘柄)

1 中京医薬品(4558・ジャスダック)

 新型肺炎の防疫関連株に位置付けられ、株価は月間で約6倍に。上場したのは1997年ですが、1月の上げ一発で13年9カ月ぶりの高値を更新、上場来高値を更新してしまいました。『Air Mask』という除菌剤を扱っていることで、「ウイルス対策で特需があるんではないか?」なる思惑につながったようです。

 22日~月末31日まで、実に8営業日連続のストップ高に。前月末時点の25日移動平均売買代金は462万円でしたが、1月末時点では1億3512万円に激増。突如発生した買い注文のサイズに売り注文のサイズが全く見合わなかった…小型IPOの初値が高騰するのと同じ仕組みですね。

2 重松製作所(7980・ジャスダック)

 新型肺炎の防疫関連株の中でも、品切れ続出のマスク関連株として特に人気化。1月だけで株価は3.7倍に急騰し、確認できる1985年以降では最高値となりました。

 同社は、防じん・防毒マスクの老舗企業。売上高の約5割がマスクということもあって、特需発生への思惑は当然出るわけですが…。東証が29日の売買分から信用規制をかけており、今回の大相場の原動力は“個人投資家による新規の信用買い”だったことは明らか。高値を付けた1月末の予想PERは130倍台、理屈を超えた高株価を付けました。

3 興研(7963・ジャスダック)

 今回の新型肺炎の防疫関連株祭りによって、個人投資家の中での知名度も跳ね上がった銘柄といえます。上げの原動力は、重松製作所と同じく“個人投資家による新規の信用買い”。重松製作所と同じ、29日に東証が信用規制をかけました。

 同社は、独自のフィット技術で『ハイラック』というブランド名のマスクを作っています。このマスクは、一般的なサージカルマスクの漏れ率が63%程度あるのに対し、漏れ率0.56%という驚異の数値の製品だそうです。売上高に占めるマスク関連事業の比率は約9割、マスク関連株としての濃度が高いといえそう。

4 リプロセル(4978・ジャスダック)

 27日~29日の3営業日だけで株価は2倍化し、値上がり率の7位にランクイン。きっかけは、同社が今春にも再生医療用のiPS細胞の製造受託サービスを始めると報じられたこと。安全性が高く、日米欧の規制にも対応しているといった内容も記載されていました。

 新型肺炎リスクへの警戒で地合いが悪いなかで材料が出たこと、しかも株価200円台の低位株だったことが相まって、想像以上の反応になったといえそうです。

5 ドーン(2303・ジャスダック)

 9日、今2020年5月期の業績予想の上方修正を発表。売上高を9.8億円→10.3億円、営業利益を2.2億円→2.57億円にそれぞれ増額しました。

 クラウドサービスの新規顧客獲得が計画よりハイペースであること、既存顧客の機能拡張によるシステム開発の受注があったことなどを増収の理由としています。売上が想定より伸びた場合でも、製造原価を抑えることができるビジネスモデルのようです。1月の値上がり率上位銘柄では、数少ない業績サプライズで買われた銘柄でした。