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著者の土信田 雅之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「中国金融緩和策の「本気度」と「ホンネ」~次の景気刺激策の第一歩?それとも政策の限界?~」
9月相場で最大の「ヤマ場」だったとも言える日米の金融政策イベントが通過しましたが、これまでのところ、国内外の株式市場の反応は好調さを維持しています。
米国株市場では、ダウ工業株30種平均やS&P500種指数が最高値圏に位置しているほか、国内株市場でも日経平均株価が節目の3万8,000円台に乗せ、26日(木)の取引でも、高値引けの3万8,925円となり、3万9,000円台も捉えつつある状況です。
そして、今週は日米だけでなく、中国からも今週の24日(火)に金融緩和策が打ち出され、上海総合指数や香港ハンセン指数といった、中国関連の株価指数が大きく上昇しているほか、日米株式市場の中国関連株にも買いが向かっていることが注目されています。
金融緩和策を受けて急上昇した中国株市場
<図1>日米中の主要株価指数のパフォーマンス比較
※米国の株価指数は2024年9月25日時点、日中の株価指数は26日時点
上の図1は、昨年末を100とした、日米中の主要株価指数のパフォーマンスを比較した指数チャートですが、足元の中国株指数(上海総合指数、香港ハンセン指数)の上昇の角度が顕著であることが確認できます。
上海総合指数は、26日時点で7月19日以来となる100を回復し、昨年末比でプラスに戻したほか、香港ハンセン指数も足元の急上昇によって、25日時点でTOPIX(東証株価指数)やNYダウを上回り、さらに、翌26日には日経平均をも上回ってきました。
もっとも、図1はあくまでも昨年末終値との比較であるため、中長期的に見た中国株の株価水準自体はまだまだ低いことは押さえておきたいところです(下の図2と図3)。
<図2>上海総合指数(週足)の動き(2024年9月26日時点)
<図3>香港ハンセン指数(週足)の動き(2024年9月26日時点)
とはいえ、今週発表された中国の金融緩和策が足元の中国株市場の流れを変えたことは間違いなさそうです。
ちなみに、図2と図3のチャートを見ると、上海総合指数、香港ハンセン指数の両方で、5月24日週にいったん高値をつけていることが分かりますが、この時は、5月半ばに中国当局が不動産刺激策を打ち出したことが好感されて株価が上昇していた局面でした。
つまり、この5月24日週の株価を超えられないと、今回の金融緩和策のインパクトや期待感が前回よりも弱いということになってしまいます。現時点で香港ハンセン指数はクリアしましたが、上海総合指数がまだなので、このままクリアできるかが目先の注目点になりそうです。