あなたがやってはいけないことは「積み立て投資をやめること」

 逆に「やってはいけないこと」はあるでしょうか。もしあるとすればそれは、積み立て投資を中断することです。

 定期的な拠出を中断することは積み立て投資家にとってあまり賢い投資行動とはいえません。

 積み立て投資家、特に長期で積立投資を行う個人にとっては、短期的な値下がり時に拠出を続けることが一番効率的な投資になりえます。むしろ、値下がりと値上がりが繰り返すのであれば、値下がり時期に積み立て投資をすることが必要です。

 良くないのは「下がっている時期は積み立て投資を中断し、上がっている時期に積み立て投資を再開する」のような判断です。これは一見賢いように見えますが、(将来回復したのであれば)値下がり時期の新規購入を自ら停止させていたことになります。

 また、こういう投資行動を一度選択してしまうと、中断時点に株価が回復したとしても投資再開を行わない可能性が大です。再開しない理由は「まだ分からない」と考えてしまうことだったり、「面倒だったので忘れていた」というミスだったりします。

 積み立て投資を中断した人が、「その代わりに積み立て定期預金を同額継続します」ということもまずありません。これも積み立て投資家が投資を続けるべき理由の一つです。投資を止めたが貯金をしないのであれば、元本も積み上がらないだけの期間を設定することになってしまいます。仮に月2万円であったとしたら、1年の中断は元本24万円に相当しますが、貯金しなかった人が1年後に24万円を確保することは困難でしょう。

 ここまでちょっと難しいことを書いたように思いますが、実はあなたが「絶対にやるべきこと」は「何もしないこと」なのです。あなたは「何もしない」でただ次回の積み立て投資の引き落としをすればいいだけなのです。