積み立て投資家にできること。それは何もしないこと

 もし、あなたが個別銘柄を中心とし、どちらかといえば短期売買取引を想定しているのであれば、こうした時期は銘柄が割安になったかどうかを考え、投資するチャンスといえます(トウシルにもそうした記事があるので、参考にしてください)。

 しかし、あなたがiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)をベースに少額の積み立て投資を行っているとしたら、どうでしょうか。また、投資信託やETF(上場投資信託)を中核に運用していた場合はどうでしょうか。

 実はあなたにできることは、あまりありません。

 あなたがNISA口座を使っているなら、保有している商品を売ってしまうことは非課税投資期間を終了させるということ。もう一度買い直すことは、今年のNISA枠を使うことになってしまいます。特に、つみたてNISAを行っている人は、無理をして過去数年にわたり、積み立ててきた投資資金を焦って売却する必要はありません。

 iDeCoではどうでしょうか。こちらは売却したとしても、非課税口座の中に資金を残し、また再投資をすることが可能です。しかし、投資信託の性質上(iDeCoにはETFや個別銘柄投資はない)、売買タイミングは選択できません。明日、あるいは明後日の基準価額で売買することになり(運用指図のタイミングと投資信託の条件による)、「今日下がったから売る(買う)」のような判断をしても、翌日相場が反転したりして裏目に出る可能性がしばしばです。

 それにあなたの投資のゴールがまだまだ先であるなら、今慌てて売ったところで、また再エントリーするタイミングを考えなければいけません。

 仮に10%下がろうと20%下がろうと、あなたの投資のゴールである未来には、新型肺炎を世界が克服できると思えるなら、値下がりや含み損の発生を気にする必要はなく、そのままポジションはキープすればいいのです。