売買代金ランキング(5銘柄)

1 ワークマン(7564・ジャスダック)

 再度マクドナルドを抜き、時価総額でも新興市場トップとなったワークマン。最も注目されるのが、毎月月初に発表する月次動向。10月の既存店売上高も+23.8%と、9月分(+16.1%)を上回る強い伸び率を記録したことが好感されました。通常の小売株ですと天候不順は大敵ですが、ワークマンは真逆。降雨日や降雨量が多かった10月に、レインウエアや長靴などの雨関連商品が好調だった、という具合です。

 また、月後半の上昇加速に寄与したのが、22日付のいちよしの目標株価引き上げでした。投資判断を最上位の「A」に引き上げたうえ、目標株価を従来の3,350円から1万1,000円に大幅アップ(前回比3倍以上!)。高機能・低価格なプライベートブランドの開発強化で、既存店売上高は高い伸びが続くと予想しているようです。

2 レアジョブ(6096・東証マザーズ)

 14日に今期の業績予想を営業利益で3億円から4億円に引き上げたほか、12月5日時点の株主に1対2の株式分割を実施すると発表しました。主力の英語のオンライン教育が個人向け、法人・教育機関向けとも好調。上期の営業利益は前年同期比で約10倍と、期初計画を上回るペースで推移したようです。

 また、同時に発表した株式分割も、東証1部への昇格準備と想像しています。マザーズ銘柄の大半が値下がり要因イベントになる決算発表ですが、今回の決算シーズンで最も評価を高めた銘柄がレアジョブだったといえそうです。

3 トレイダーズ(8704・ジャスダック)

 2年前の夏に、一度大相場を作った低位株。株価60円台から急動意し、(低位株のため値幅取り妙味は大きいとはいえ)異様に活況化した11月でした。きっかけは、14日発表の決算発表。中間期は営業収益が前年同期の2倍となり、営業利益も13.2億円の黒字に転換(前年同期は2.7億円の赤字)。子会社のトレイダーズ証券のトレーディング収益が想定以上だったようです、これを踏まえて通期の業績予想も上方修正しています。

4 ハーモニック(6324・ジャスダック)

 わかりやすい“決算が悪い株”ですが、8日に年初来高値を更新するなど“株価は強い株”。12日に、慎重に見えた期初計画(営業損益10億円黒字予想)すら、一転して15億円の営業赤字予想に下方修正。受注回復も遅れ、足元のロボット需要や生産の厳しいことを示しました。

 ただ、急落して始まった翌13日も、ほぼ寄付きを底に急激に下げ幅を縮小。わかりやすい決算悪い株にはわかりやすく空売りもたまっていて、その売り分の買戻しを誘発するような短期勢の買いが入っているのではないでしょうか。いまだに年初来で6割近く上昇している理由が判然としないハーモニック株…一部外資系証券でも、株価の割高感は強いとして投資判断「アンダーウエート(最下位)」を継続していました(だから空売りがたまるのか…)。

5 Sansan(4443・東証マザーズ)

 今年6月に上場した直近IPO銘柄。7月に上場来高値6,260円を付けたのをピークに、10月安値3,540円まで下げっ放しでしたが…11月に月間47.8%上昇と、上場来で最も輝いた1カ月になりました。その理由は、“伝家の宝刀”主幹事による強気レポートでした(主幹事証券が出すことが多い「新規カバレッジで“強気”」のレポートは、上場以降で1度しか出せないため)。

 公開価格4,500円と、上場初日の初値4,760円という、持っている投資家が多そうな価格帯でもみ合っていたところで、野村証券が投資判断「Buy」、目標株価6,950円で新規カバレッジ開始。26日付の同レポートを受けた翌27日、上向いていたマザーズの地合いも手伝ってかストップ高に! 高い売上高成長率を維持しているが、今後は利益率の上昇も見込めると。