次は、「飛躍の10年」に

 既に「平成」が終わり、「令和」時代が始まっています。次の10年、日本株はどうなるでしょう。私は、日本株が大きく飛躍する10年になると考えています。

 私は、1987年から2013年まで約25年間、日本株のファンドマネージャーをやってきました。20代で1,000億円、50代で2,000億円以上の日本株運用を担当し、ベンチマーク(TOPIX:東証株価指数)を大幅に上回るパフォーマンスをあげてきました。今、運用の現場からは離れましたが、25年の運用経験を生かし、この連載コラムを執筆しています。

 私が、もっと若ければ、これから25年間、日本株のファンドマネージャーをやりたいと思います。あまり先のことまではわかりませんが、とりあえず、これからの10年、日本株投資がとても面白い時期になると思います。「失われた20年」で行った構造改革の成果を刈り取る時期と思っています。

 日本人が優れていると思うのは、世界中あらゆるところで、日本の自動車が走り、日本のロボットが使われ、日本の技術が活躍していても、簡単に「おごり高ぶらない」ところです。世界に誇る技術や企業がたくさんあっても、「日本はこのままではダメになる」と危機感を持ち続け、努力を続けています。

 もう1つ、優れていると思うところは、日本人の多くがチームプレーに徹することができることです。若い世代で個人主義が広がっているとも言われますが、基本的な資質は変わっていないと思います。体格差で劣る日本人が、スポーツで欧米選手に勝つのは、チームワークが生きる時が多いことからもわかります。

 さらにもう1つ、日本人の優れているところは、品質に徹底的にこだわることです。製造業で培われた高品質は、サービス化・IT化社会になり、きめ細かな高品質サービスとして、国際的に評価されるようになっています。

 その成果が、これから出ると思います。PER(株価収益率)や配当利回りなどで見て割安になった日本株の投資魅力は高いと思います。

 日本株を売り、日本への投資をやめるべき時は、日本人がみな(今の私のように)、「日本人はすごい」と自画自賛する時でしょう。まだ、そのタイミングにはなっていないと思います。

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