平成の締めくくりは「復活の10年」に、構造改革の成果が結実

 リーマンショックを経て、復活の10年が始まりました。今、日経平均がバブル崩壊後の高値圏にあるのは、失われた20年で行った構造改革の成果と考えています。その内容は、以下の通りです。

1998~2005年の構造改革
◆金融危機を克服:不良債権処理を完了
◆業界再編:金融・化学・鉄鋼・石油精製・セメント・紙パルプ・医薬品・小売業などで、生き残りを賭けた合併・リストラが進む
◆財務体質を改善:日本中の企業が借金返済にまい進。借金過多のバブル時より財務が大幅改善
◆省エネ・環境技術がさらに進化:日本は1970年代以降、省エネ・環境技術で世界をリードしてきたが、2000年代の資源バブルでさらに技術優位を広げた

2006~2013年の構造改革
◆内需産業が海外で成長:内需産業(小売り・食品・サービス・化粧品・金融・陸運など)が海外(主にアジア)進出
◆サービス化・IT化:ITを駆使した成長企業が増える。AI・IoTの普及始まる。製造業でも、サービス化・IT化に対応した「脱製造業」のビジネスモデルが広がる
◆海外M&:日本企業が大型M&A(企業の買収・合併)を次々と実施し、海外企業を買収。海外進出を加速
◆働き方改革・ガバナンス改革:まだ道半ばだが、労働生産性を高める働き方改革、ガバナンス改革が進む