主力銘柄から「高配当利回り&増配期待銘柄」を選抜
本年の国内株式は総じて低調となっていますが、時価総額が比較的大きな主力銘柄のなかで配当利回りが比較的高く増配期待もある銘柄を「高配当利回り&増配期待銘柄」として注目したいと思います。
銘柄選別のベースとなる母集団(ユニバース)としては、「TOPIX100指数」(東証1部上場で時価総額上位100社)を使用します。TOPIX100指数の構成銘柄は、文字通り「日本を代表する100社」と言えるでしょう。
図表4は、(1)TOPIX100指数を構成する100銘柄のなかから、(2)来期(主に2021年3月期)も再来期(主に22年3月期)も増配傾向である銘柄群、(3)今期(主に20年3月期)の予想DPS(1株当り配当額)をもとに計算した「配当利回り」で降順に一覧した10銘柄を示しました。
配当利回り水準の高低だけでなく、業績見通しを重視し、「減配リスク」は極力低減しました。例えば、日産自動車(7201)の予想配当利回りは約5.4%ですが、業績低迷で今期(2020年3月期)も来期(2021年3月)も減配見通しとなっています(9月12日時点の市場予想平均)。
配当利回りが比較的高くても、利回りのベースになっているDPSが減配傾向となるなら、株価は一段と下落するリスクがあります。当面、再び不確実性が強まる場面もありそうですが、世界的な金利の低位安定環境に大きな変化はなさそうです。
図表4に示した10銘柄の予想平均配当利回りは5.11%で、10銘柄は総額約234万円で購入できます。今後も長期の視野に立った「高配当利回り&増配期待銘柄」に注目したいと思います。
図表4:国内株式の「高配当利回りベスト10銘柄」は?
コード | 銘柄名 | 業種 | 株価 | 今期配当予想 | 今期配当利回り | 来期配当予想 | 再来期配当予想 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2914 | 日本たばこ産業 | 食料品 | 2,333.00 | 154.00 | 6.60 | 158.13 | 163.73 |
9434 | ソフトバンク | 情報・通信業 | 1,508.00 | 85.51 | 5.67 | 90.03 | 92.47 |
7751 | キヤノン | 電気機器 | 2,935.00 | 160.00 | 5.45 | 160.63 | 162.50 |
8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | 銀行業 | 3,769.00 | 187.00 | 4.96 | 197.89 | 209.75 |
4188 | 三菱ケミカルホールディングス | 化学 | 814.90 | 40.00 | 4.91 | 40.62 | 42.00 |
4502 | 武田薬品工業 | 医薬品 | 3,719.00 | 180.00 | 4.84 | 180.58 | 186.11 |
8002 | 丸紅 | 卸売業 | 747.50 | 35.50 | 4.75 | 36.60 | 37.63 |
8591 | オリックス | その他金融業 | 1,710.50 | 79.93 | 4.67 | 84.30 | 87.85 |
7270 | SUBARU | 輸送用機器 | 3,097.00 | 144.00 | 4.65 | 144.53 | 146.88 |
8058 | 三菱商事 | 卸売業 | 2,800.50 | 130.00 | 4.64 | 138.00 | 145.50 |
10銘柄の最低投資総額(合計/円) | 2,343,440 | 算術平均 | 5.11 | ||||
TOPIX(東証株価指数)<市場平均> | 1,595.10 | 39.81 | 2.50 | 42.10 | 44.55 | ||
*単位 株価:円 今期配当予想:円 今期配当利回り:% 来期配当予想:円 再来期配当予想:円 *上記はTOPIX100指数(東証1部の時価総額上位100社)構成銘柄をユニバース(銘柄母集団)にしたものです。 *来期配当予想と再来期配当予想が「増配見通し」の銘柄群のうち「予想配当利回り上位10社」を示したものです。 *「今期」は主に20年3月期、「来期」は主に21年3月期、再来期は主に22年3月期を示します。 *今期、来期、再来期のDPS(1株当り配当額)は市場予想平均(Bloomberg集計)を示しています。 *DPSの市場予想平均は、業績見通し次第で上下に修正される可能性があります。 *上記は銘柄推奨を目的としたものではありません。 出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2019年9月12日) |
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