ウォーレン・バフェットは暴落する前に株を売り、暴落すると株を買うという逆張り投資家

 ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイの現金比率は2016年以降上昇し、現在手元現金が1,110億ドル(約12兆円)に達している。投資するものがないので自社株買いをする(バフェットとしてはそれが一番安全だということだろう…)と言っているが、次の危機に備えた動きだろう。

 バフェット指数(米国株式市場の時価総額の名目GDP[国内総生産]に対する比率)が150%近い現状では、バフェットは少なくとも長期の買いポジションを持つ時期ではないという判断のようだ。 

バークシャー・ハサウェイ(BRK-B) の月足と順張り売買シグナル

出所:石原順

 バークシャー・ハサウェイの現金ポジションの前回のピークは、金融危機直前の2007年末の433億ドルである。2008年にはリーマン危機の最中、ゴールドマンサックスの株を安く手に入れて大もうけしたが、2008年末の現金ポジションは255億ドルに減っていた。 

バークシャー・ハサウェイの現金ポジションとS&P500の推移

 ウォーレン・バフェットは暴落する前に株を売り、暴落すると株を買うという逆張り投資家だ。これは、なかなかできることではない。人間の心理に素直に従って投資行動をすると、暴落する前に株を買い、暴落すると株を売らざるを得ないというバフェットと逆の行動になってしまうのである。

 今週7月10日の楽天証券のラジオ番組『楽天証券PRESENTS 先取り★マーケットレビュー』(ラジオNIKKEI)では、『ウォーレン・バフェット特集』と題して、バフェットの注目銘柄や、バークシャー・ハサウェイの現金ポジションからみた相場の賞味期限について言及している。

『楽天証券PRESENTS 先取り★マーケットレビュー』はYouTubeでも視聴が可能である。

 FFレートと10年国債の逆イールド状態が恒常化している。逆イールドやバークシャー・ハサウェイの現金ポジションから考察すると、2019年後半からの相場は注意を要する時間帯に入る。

米国のイールドカーブ

出所:ヤルデニリサーチ