8月の株主優待銘柄

 株の決済期間が2営業日に短縮されて2カ月目となる8月優待。権利付き最終日の8月28日(水)までに株を買い、翌日の権利落ち日である29日(木)まで株を保有することが、月末最終営業日の30日(金)に株主優待の権利を手に入れるための条件になります。

 8月優待株の総数は103社※1。その特徴は、優待株全体で見ても非常に人気が高い銘柄が多いことです。優待株の総合ランキング※2でも、イオン(1位)、吉野家ホールディングス(8位)、ビックカメラ(9位)、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(16位)と、多数の8月優待株がランクインしています。※1、2 楽天証券「株主優待検索」2019年7月11日時点

 8月というより優待株全体で人気No.1イオンの優待は、半期100万円を限度にイオンなどの店舗での買物金額の3~7%がキャッシュバックされる年2回贈呈の「イオンオーナーズカード」です(2月末には別途、3年以上の長期保有株主向けギフトカード優待あり)。

 100株以上の保有で3%、500株以上で4%、1,000株以上で5%、3,000株以上で7%と、キャッシュバック比率が保有株数に応じて増加するので、新規の購入のみならず、株数を増やしてキャッシュバック比率を上げるために買い増しを検討するイオン愛好家も多いようです。

 イオンの株価は2018年11月につけた2,792円の高値以降、下落が続き、7月初旬時点では1,800円台で推移。ただ、業績自体は2020年2月期も増収増益予想で、今期はジャスコ誕生50周年の記念増配も予定されています。

 第2位吉野家ホールディングスの優待は、100株以上で300円相当の優待食事券10枚×年2回(2・8月)です。保有株数900株までは同じ優待内容で、1,000株保有で初めて2倍の6,000円相当×年2回に増額されるので、買い増しには不向きかもしれません。

 第3位ビックカメラもまた2・8月末の年2回優待ですが、8月優待は長期保有すればするほどお得になります。通常は100株以上500株未満の保有で2月末株主に2,000円相当、8月末株主に1,000円相当の買物優待券が贈呈されますが、8月末優待にだけ長期保有優遇制度が適用。1年以上2年未満の保有でプラス1,000円相当、2年以上の保有ではプラス2,000円で計3,000円相当の優待券(年間合計5,000円相当)がもらえます。 

 4~6位には、いずれも2月末、8月末株主に100株保有で年2回、3,000円相当の優待食事券が贈られるクリエイト・レストランツ・ホールディングス(200株以上1年以上の長期保有でプラス1,500円相当)、1,000円相当の自社電子マネーがもらえる喫茶店チェーンのコメダホールディングス、1,000円相当の買い物カード(2020年2月末優待以降、3年以上の長期保有でプラス500円相当、優待権利付き最終日は8月16日)が贈呈される西松屋チェーンなど、人気の飲食店や小売店が並んでいます。

 そんな中、8月末のみの年1回優待で人気が高いのが7位にライクインした明光ネットワークジャパン。「明光義塾」などを展開する学習塾企業ですが、100株保有で1,000円相当(3年以上の継続保有で3,000円相当に増額)のクオカードが贈呈されます。配当利回り4%以上の好配当株であることも、同社の人気が高い理由でしょう。

 ランキング12位サイゼリヤも8月末のみの優待になります。人気外食チェーンの中では優待人気がそれほど高くないのは意外ですが、その内容は100株で2,000円相当の優待食事券。今期末からは、4月末以降8月末までの任意の時点で株主と確認された人限定という継続保有が条件に追加されています。

 また、500株以上の人にはこれまで2,000円の食事券に加えて、8,000円相当のイタリア食材セットなどの優待品が贈られていましたが、今回からは食事券1万円相当に変更になりました。理由は「輸送費の高騰」。最近の優待株では優待送付回数を年1回にするなど、輸送費高騰を理由に優待内容が変更される例が目立つようになりました。