NYダウは過去30年日経平均を上回るパフォーマンスを実現

 NYダウが強く、日経平均が弱いのは、今に始まったことではありません。日経平均が、バブル相場で最高値(3万8,915円)をつけた1989年12月末から比較すると、日米の株価パフォーマンスには以下のように、大きな差がついています。

日経平均・NYダウの動き比較:1989年末~2019年6月(10日)

出所:楽天証券経済研究所が作成。1989年末の値を100として指数化

 上のチャートを見ると、NYダウがバブルのように見えますが、そうではありません。バブル相場では、利益を無視して夢だけで株価が上昇しますが、NYダウは利益を無視して上昇してきたわけではありません。1株当たり利益の増加を反映して、上昇しただけです。

 株価の割安度をはかる代表的な指標にPER(株価収益率)があります。1株当たり利益の何倍まで株価が買われているかを示すものです。世界各国の主要株価指数は、だいたいPER10~20倍の範囲で評価されてきました。米国株のPERは、だいたい13~20倍の範囲で推移しており、現在は約17倍。米国株に特に割高感はありません。

 米国では、2010年以降、利益も株価も継続的に上昇してきました。シェール・オイル&ガス革命、世界のITインフラ支配、大型減税などによって、米国企業は利益を拡大させ、それに伴って株価が上昇してきました。

  米国株には、日本株にない魅力を持つIT企業が多数あることから、中長期的に資産形成をはかる上では、日本株だけでなく米国株にも分散投資していった方が良いと考えています。

 

▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー

2019年6月7日:平均利回り4.8%!米国の配当貴族を5万円未満で買う
2019年6月7日:米国株人気ランキング! 5月上旬TOP10~急落したテスラが上位に浮上~