テスラ(TSLA)

出所:トムソン・ロイター(現地5月31日まで過去1年間)

 5月下旬の売買動向で、売買ランキング2位に急浮上したテスラです。上記チャートをご覧の通り、ここ2年ほど続いていた280~380ドルのレンジを下抜けし、一気に200ドルを割り込む急落となりました。

 テスラは元々ウォールストリートのアナリストの間でも評価が分かれる銘柄で、4,000ドルに到達すると強気な見方を示す意見もある一方で、「株価がここから半分になる」、「弱気シナリオの目標株価は10ドルだ」などと、非常に慎重な見方も多く、空売り残高が同社の浮動株の2割以上になることも珍しくありません。

 そうした中で、今回CEOのイーロン・マスク氏が従業員に宛てたメールで「27億ドルの資金を調達したものの、1-3月期の赤字状況が続けば、約10カ月で全て使い切ってしまう」などと発言したことを受け、会社の資金繰りについて懸念する声が高まりました。また、そうした中で新型電気自動車「モデル3」の需要が芳しくないとのコメントがアナリストの間で相次ぎ、目標株価の引き下げが続出したことを受け株価は急落しました。

 しかしその一方で、アナリストの多くは注目していないようですが、テスラの「信者」と呼ばれるようなファンの多くは、中国で建設中の大規模工場「ギガファクトリー3」の凄まじい建設ペースや、マスク氏が「4-6月期の出荷台数は過去最高ペースになるかもしれない」と従業員宛てのメールで発言していることに注目し、強気スタンスを維持しているようです。

 常に「倒産間近」であると言われ続けながらも、根強い人気があるテスラですが、ここから切り返せるのか、今後の動きに注目していきたいと思います。

マイクロソフト(MSFT)

出所:トムソン・ロイター(現地5月31日まで過去1年間)

 3位はETF銘柄でしたので、次は4位のマイクロソフトを見ていきたいと思います。こちらもマーケット全体が下落する中で値動きの重い展開が続いているものの、ほぼ史上最高値近辺で横ばいの推移となり、その堅調さが逆に際立っています。

 直近のニュースではクラウドゲームなどでソニー(6758)と戦略的提携を結んだというものもありましたが、それよりも引き続きクラウドに軸足を移した同社の好調な業績が評価されているようです。今後プラットフォームとしてのクラウドサービスでは、アマゾンのAWS、マイクロソフトのAzure、グーグルのGCPの3強時代が来るとも言われていますが、そうしたことも堅調な株価動向の裏側にあるのかもしれません。